1997 Fiscal Year Annual Research Report
算数・数学科の図形分野における認知形成と情意形成の相互間系と評価法の研究
Project/Area Number |
09680253
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
黒木 哲徳 福井大学, 教育学部, 教授 (90022681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 悟朗 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30115414)
蟹江 幸博 三重大学, 教育学部, 教授 (10093121)
寺岡 英男 福井大学, 教育学部, 教授 (90115303)
|
Keywords | 情意形成 / 認知形成 / 図形学習 / 数学嫌い / 数学離れ / カリキュラム |
Research Abstract |
1.小学校の図形学習に関しての授業とそのデータ収集と分析 小学校4年生の3つの図形学習に関して,到達度評価のフォーマットを使用して我々の開発したグラフ化による評価法での分析を行った。その結果,これまでの先行研究で得た4つのパターンがでなかった。これは,発見学習型と問題解決型の学習を1つのグラフにしたためと考えられる。特に,発見学習型が非常に子供の興味関心の高い教材であったために,その後の問題解決的学習の情意面が後退するという現象が起きたためと見られる。しかし,最後の学習は内容的にはこれら二つを総合したもので,全体的傾向としては情意面は高まりが見られた。認知面については,このグラフからは読みとることが出来なかった。今回の試行の分析からは,型の違う学習の配列が学習する側の情意形成に影響を与えることを指摘出来る。今後は問題解決型だけの試行によるデータ収集と分析を行い,このグラフによる評価法の普遍性について検証する必要があると考える。 2.数学離れと数学嫌いにどう対応するかについて 表記に関するシンポジウムを行った。特に,数学教科に関する感情として顕著なものに「嫌い」があるが,それとは違った意味で「離れ」も彼らの数学観により形成されてきている。この問題に取り組むために,小学校,中学校,高校の教師を招いてそれぞれに提言をしてもらった。教育現場ではそのための様々な創意工夫がなされていることが明らかにされ,その一方で数学に対する負の情意形成に別の要因があることもわかった。その要因の1つにカリキュラムの問題があると考える。数学教育のワーク・ショップに参加し,高校カリキュラムに関してその問題点の分析と提言を行った(論文投稿・印刷中)。
|