1997 Fiscal Year Annual Research Report
環境放射線の作用を用いた自然理解のための理科教材開発
Project/Area Number |
09680274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
跡部 紘三 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90027467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 亮 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50199577)
松川 徳雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30101281)
福岡 登 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (10029689)
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Keywords | 放射線 / 放射能 / 原子力 / 核エネルギー |
Research Abstract |
理科・物理教育において重要な概念である「原子核」,「放射線」,「放射能」,「エネルギー」等は抽象的対象であり、多くの生徒にとって理解しにくい分野である。 しかし,既存の複雑な装置を用いた実験はむしろ敬遠され,また,黒板への板書のみの説明では理科嫌いを招くことがある。 本研究課題として,一人ひとりの生徒が安全に,簡便に自然放射線を検出・確認できる教材を開発することを目的としている。そして,このことにより身の回りの自然や生活用品から放射線が放出されていることを理解し,このことを通して地球や宇宙へと興味・関心を広げていくことを期待している。 今年度は以下の点を取り上げ検討した。 簡易型放射線検出霧箱の作成:従来理科・物理実験に使われている検出装置は高価で高電圧を用いるものが一般的である。そこで可能な限り,安価で容易に組み立て,安全に観察することができる簡易装置の作成を目指した。また,一部簡易型の物も工夫されてきているが,更に観察しやすく放射線の通った飛跡を明瞭に見れる工夫や拡大表示についても検討した。アルコールの蒸気を冷却し過飽和の状態にするための冷媒として,液体窒素が保存性が良く安価で最近は手に入りやすいことで利用した。現在まで,まだ目的とするところまでは進んでいないが,さらに工夫をしていく予定である。 簡易型蛍光放射線検出器の作成:自然界の鉱物や身の回りの生活用品を放射線源として,これらから発せられる放射線を蛍光物質を利用することにより効率良く検出することの可能な検出器を考えている。現在,ガンマ線,ベータ線についての検出効率の良い蛍光物質の選別を終了して,簡単な装置の試作を進めている。 また,学校においても容易に手に入れることのできる試料の分類・整理を進めている。更に,これらに加えて,中学生〜大学生,学校教員に対して「放射線」,「放射能」,「原子力」等についての知識及び理解度についてのアンケートを実施して分析している。以上についての結果がまとまりしだい報告していく予定である。
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