1998 Fiscal Year Annual Research Report
震災復興における地域産業集積の再編メカニズム解明と復興政策シュミレーション
Project/Area Number |
09680431
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Research Institution | Kobe University of Commerce |
Principal Investigator |
加藤 恵正 神戸商科大学, 商経学部, 教授 (80161131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 善臣 神戸商科大学, 商経学部, 助教授 (10094525)
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Keywords | 阪神・淡路大震災 / ケミカルシューズ産業 / 集積 / 社会的分業 / インナーシティ / 都市経済 / コミュニティ・ビジネス / システム・ダイナミクス |
Research Abstract |
平成9年度調査において実施したケミカルシューズ産業集積の再編に関わるアンケート調査およびインタビュー調査結果についての集計・解析、さらに同調査以降の変化を追跡するため追加インタビュー調査を実施した。 社会的分業を存立基盤とするケミカルシューズ産業の場合、その連関構造のあり方の変化を明らかにする必要がある。54社に対するインタビュー調査によれば、調査時点で集積外部(長田地区外)へ外注している割合はほぼ6割であった。その空間的範囲は、長田区以外の神戸市内や明石市等、実際には限定されたものとなっている。ただ、安定した部品供給を求めて、海外を含む遠融地との関係を強化する働きがあるなど、新たな変化を閑却することはできない。 メーカーの立地という側面からみると、都市計画など多くの困難にもかかわらず、なお旧集積地に強い指向が見られることは、かつての社会的分業再生への働きとみてよい。ただ、萌芽的にせよ取引連化の広域化や系列化など、連関の質的変化は集積再編の方向を検討するうえで重要な要素である。 まちづくりシュミレーションは、システム・ダイナミクスによる試行的モデル構築を行った。本格的な政策シュミレーションが今後の課題である。
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