1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己TOF型中性子検出器の開発と中性子弾性・非弾性散乱断面積の評価
Project/Area Number |
09680473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
中尾 徳晶 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (80272524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 尚司 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (70026029)
伊藤 寛 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (50300679)
柴田 徳思 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (80028224)
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Keywords | 高エネルギー中性子 / 自己TOF検出器 / 中性子散乱断面積 / 飛行時間法 |
Research Abstract |
高エネルギー中性子スペクトロメータとして開発している自己TOF検出器を、本年度より中性子散乱断面積測定用応用して開発を進めた。今年度は、散乱断面積測定に最適な体系を求めるため、様々な体系で検出器の特性を試験した。これらの特性試験は、東北大学サイクロトロンRIセンターの40MeV-AVFサイクロトロン施設の中性子飛行実験室において2回、および日本原子力研究所高崎研究所の90MeV-AVFサイクロトロン施設の第3軽イオン実験室にて2回、いずれも加速陽子を薄い^7Liターゲットに当てることにより得られる準単色中性子を用いて行った。 本自己TOF検出器は、ビーム中の荷電粒子を検出するVETOシンチレータ、ポリエチレンラジエータ、ラジエータで発生した荷電粒子を検出するCOINシンチレータ、そして粒子の飛行時間を決定するSTARTシンチレータおよびSTOPシンチレータで構成される。中性子によるラジエータからの反跳陽子のエネルギーをTOF法で測定することにより元の中性子エネルギーを決定するという原理である。今年度の実験では、散乱断面積において炭素の第1励起の4.3MeVが十分測定できるようなエネルギー分解能を得ることを目標として、ラジエータ自体の厚さを1mmと薄くし、反跳陽子エネルギー分解能を向上させた。また、COINおよびSTARTシンチレータ自体がラジエータとして作用することによる反跳陽子の寄与が大きいことが測定上の不確かさを増大させることが分かり、COINおよびSTARTシンチレータを一体型としてラジエータよりも薄い0.5mm厚とした。今年度の検出器特性試験により、散乱断面積測定用中性子検出器の体系が決まり、その特性および検出効率を実験的に評価することができた。
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Research Products
(1 results)