1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉本 勝則 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90192616)
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Keywords | DNA複製 / DNA損傷 |
Research Abstract |
真核細胞は増殖するために分裂するが,そのために細胞周期中必ず染色体をS期に複製しM期に分配しなければならない。DNA損傷が染色体上に起きると,細胞はDNA修復を行うと同時に細胞周期を停止する。この細胞周期進行を抑制する制御機構はDNA損傷チェックポイントコントロールと呼ばれている。もしDNA修復が不完全な染色体が分配されれば,分裂した細胞は、死に至るか、がんなど重篤な状態に陥ることが予想される。 ataxia te1angiectasia(AT)は、小脳変性、進行性知能低下、歩行異常(ataxia)、血管拡張(te1angiectasies)、がん発症率の増加などの多彩な症状を呈するヒトの遺伝病である。AT患者の変異遺伝子の解析から、ほとんど全てのケースはATMと呼ばれる単一の遺伝子の変異によることが明らかになった。ATは劣性のまれな遺伝病であるが変異遺伝子をヘテロでもつ個体は全がん患者のかなりの割合を占めていると予想されている。ATM遺伝子のクローニングと塩基配列の決定から、ATM遺伝子産物は、PI3キナーゼと高い相同性をもつタンパク質をコードしていることが示された。出芽酵母において、DNA複製およびS期のDNA損傷チェックポイントコントロールに中心的役割を担っているATM関連遺伝子MEC1/TEL1はRAD53キナーゼの上流で機能することは示されているが、その制御機構は不明である。DAN複製に必須であるRFC(Replication Factor C)のサブユニットをコードするRFC5はRAD53の調節に必要であることを示してきた。 ATM関連遺伝子MEC1/TEL1が、大量発現したとき、rfc5変異をサブレスするかどうか調べたところ、TEL1大量発現はrfc5変異をサブレスすることができた。TEL1は、RFC5の下流で機能するATM関連遺伝子であることが示された。
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Research Products
(1 results)