1997 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔鏡下手術の腫瘍増殖へ及ぼす影響-トロッカー穿刺部再発の撲滅をめざして-
Project/Area Number |
09770963
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
黒部 仁 東京慈恵会医科大学, 医学部・外科学講座第一, 助手 (50287231)
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Keywords | 腹腔鏡 / 気腹 / 腫瘍増殖 / 免疫能 |
Research Abstract |
【目的】平成9年度の研究では,1)開腹ならびに気腹の皮下腫瘍増殖に対する影響と,2)開腹ならびに気腹の免疫抑制に対する影響を検討した. 【方法】1)6週齢雄F344ラット(ラット)を,a)エタノール麻酔のみの群,b)開腹群,c)気腹群,d)開腹+GM-CSF120μg/kg連日7日間皮下投与群,e)気腹+GM-CSF投与群の5つを設定した.それぞれの群をラット大腸癌株RCN-9の皮下少量移植群(10^5)と大量移植群(10^7)に分け,計10グループを設定した(各n=10).術翌日より腫瘍の発育の有無,また発育した場合にはその大きさを計測し,腫瘍の発育が観察された時点でsacrificeし,腫瘍の重量を測定した.2)ラットをa)麻酔のみの群,b)開腹群,c)気腹群,d)開腹+GM-CSF投与群,e)気腹+GM-CSF投与群の4グループを設定した(各n=30).手技終了後2時間、24時間、72時間後にsacrificeし,腹水の採取と採血を行い,血中のTNFとIL-6値を測定し,腹水中マクロファージの数,cytotoxicity,superoxide産生能,TNF-αならびにIL-6産生能を測定した. 【結果】1)皮下少量移植群ならびに大量移植群ともに,c)気腹群の腫瘍重量が,a)麻酔のみの群とb)開腹群に比較して重い傾向にあったが,有意差は認められなかった.またGM-CSF投与の有用性に関しては明らかではなかった.2)c)血中のIL-6/TNF値ならびに腹水中のマクロファージの免疫能においても,気腹群で低下傾向にあったが,有意差は認められなかった.またGM-CSF投与の有用性に関しては明らかではなかった. 【平成10年度の計画】開腹ならびに気腹の腹膜播種に対する影響に関して検討したい.
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