1998 Fiscal Year Annual Research Report
生理指標をもちいた電子メディア情報の感性科学的評価
Project/Area Number |
09838042
|
Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF MULTIMEDIA EDUCATION |
Principal Investigator |
仁科 エミ メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20260010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
不破本 義孝 四日市大学, 環境情報学部, 講師 (60261129)
河合 徳枝 国際科学振興財団, 専任研究員 (50261128)
大橋 力 千葉工業大学, 工学部, 教授 (90015652)
|
Keywords | 感性科学 / 脳波α波 / 心理学的評価 / 高周波成分 |
Research Abstract |
この研究では、電子メディアから供給される音響を対象に、人間に感性反応をもたらす周波数成分の構造について、それがどのようなものであるかを生理学的・心理学的・音響物理学的にあきらかにし、これによって、感性の生理学的評価手法と定量化手法とを開発し、感性と生理学的指標との対応について新たな知見を得ることを目的としている。 平成10年度は、まず、フィルターのカットオフ周波数の設定を変更し、カットオフ周波数を26キロヘルツおよび22キロヘルツというふたつの条件を設定した。そしてそれぞれの音響を、聴取中の被験者の脳波計測および心理学的評価実験を行った。その結果、どちらのカットオフ周波数においても、高周波成分をカットしない音の方が脳波α波ポテンシャルが有意に増大することが見出された。また心理学的評価実験により、高周波をカットしない音の方が、より耳当たりよく、快適に知覚されることが見出された。 次に、可聴域上限をこえる高周波成分を豊富に含む音源について、そのミクロな時間帯域におけるゆらぎ構造を排除した人工性の高い音響とを比較呈示し、聴取中の被験者の脳波計測および心理学的評価実験を行った。その結果、ゆらぎ構造を含む音響と含まない音響とでは、ゆらぎ構造を含む音響を聴取中の被験者の脳波α波ポテンシャルが有意に増大することが示された。ただしそのふたつの音響の違いは被験者に検知されなかった。 さらに、高速標本化1ビット方式の音響と、マルチビットのハイザンプリング方式による音響との比較のための予備的な実験を行った。その結果、音質としては1ビット方式の方が高い評価をえた。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Sadato.N.,Oohashi.T.,Nishina.E.et al.: "Neural networks for generation and suppression of alpha rhythm ; A study with positron emission tomography" NeuroReport. Vol.9 No.5. 893-897 (1998)