1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09839006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野田 浩司 筑波大学, 地球科学系, 教授 (00004341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 芳文 筑波大学, 地球科学系, 助手 (00241787)
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Keywords | 沖縄 / 第三系 / 鮮新世 / 深海性 / 軟体動物化石 / 新里層 / 知念層 / 海胆類化石 |
Research Abstract |
沖縄本島中南部、特に沖縄本島南部、知念半島周辺、勝連半島、宮城島、及び名護周辺に分布する新生代後期鮮新統-更新統の層序関係について野外調査を行い、採集した古生物資料(化石)の古生物学的検討を行った。深海性化石群集を産出する鮮新世後期与那原層・新里層と鮮新世-更新世の浅海性化石群集を産出する知念層との関係は広域的には確認できないが知念半島・宮城島等で不整合関係が認められる。沖縄島中部の宮城島に分布する新里層からは深海性のTrochidae,Turridae,Nassaridae,Thatcheridae,Verticordiidaeなどの軟体動物化石群が多産し、沖縄本島南部-知念半島の新里層からは深海性のTrochidaeに加えて深海性Nuculanidae,Malletiidae,Arcidae,Limopsidae,Ventricordiidaeが多産する。特にTrochidaeの特定種やArcidaeのHawaiarca類は同一種或いは類似種の分布が東南アジアの中新世後期から鮮新世に出現しており、それらの形態比較を行った。今回の深海性軟体動物化石群の起源・系統を研究するに際し、比較分類群として本研究分担者(菊池芳文)は保存良好な海胆類化石を多数新里層、知念層及び第四系琉球石灰岩類から採集する事が出来た。これらの予察的分類の結果、新里層産海胆類化石には、これまで軟体動物化石によって得られた深度分布、約800-1,000mという深度とほぼ整合する深海性海胆類であることが判明してきた。これらの生物地理区の究明及びその系統について併せて検討し、軟体動物化石群との関連について考察を行った。
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