1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09839025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山崎 柄根 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (90008714)
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Keywords | キリギリス類 / 種分化 / 直翅類の分類 |
Research Abstract |
本年度、とくに1997年キリギリス類の調査にあたっては、冷夏が続いたため、昆虫の発生が不安定で、成虫の時期がきわめて短期だったのは予定外であった。この悪条件の中、調査は琉球列島の南端にあたる与那国島、石垣島、波照間島、久米島などで行い、音声の録音を行った。また、同じ種でも各島間に遺伝的な差が出てくると考えられるので、各島における直翅類はできるかぎりサンプリングし、冷凍して持ち帰り、備品として購入した超低温フリーザ-に保存した。アロザイム分析にはまだ資料が足りないので、次年度のものと併せて分析する予定である。 一方、得られた材料を生かして持ち帰ったものでは、細胞分類学的分析を行った。また、キリギリス科のオキナワキリギリスほか数種の音声分析を行った。これまで、音声分析はソナグラフに頼ってきたが、キリギリス科については決して、明快な分析ができるものではなかった。今回、サウンドエディットを購入し、音声はこれでうまく分析できるようになった。さらにメコリハイコーダを使用すると、キリギリス類の音声が完全にパターン化することができるので、これによって他種との比較がきわめて容易で、とくに今年録音したウマオイやキリギリスなど、これまでソナグラフ分析ではうまく解析できなかった音声がうまく分析できる見通しがついてきた。これによってメロディーをもつ鳴く虫の音声の起源が追及できるものと期待された。
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