1997 Fiscal Year Annual Research Report
企業提携の組織間関係構築におけるコラボレーション・プロセスに関する行動科学的研究
Project/Area Number |
09873015
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
奥村 哲史 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (00224171)
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Keywords | 企業提携 / 組織間関係 / コラボレーション / ネゴシエーション |
Research Abstract |
平成9年度は、文献およびデータベース検索から、企業提携の組織間関係構築におけるコラボレーション・プロセスとして調査対象となりうる事例の収集と分類を試み、国内事例と国際事例のそれぞれについて当事者たる企業への聞き取り調査、資料収集を中心に行なった。こうした聞き取り調査では、当該各企業の事情により開示される情報には差があったものの、ネゴシエーションについての考え方、コラボレーションの実態、および一般にシナジ-効果として強調される提携のメリットの実態など、多くの実務事例からの定性的資料が得られた。 以上の実例の検索と個別詳細事情についての資料収集と平行して、組織間関係構築のプロセスについて行動科学的に分析するための方法としてケース・シミュレーションの検討を行なった。対象事例に応用するための試行として3つの既存のロール・プレイ・シミュレーションを企業間提携の意思決定と交渉に改編し、学部生、大学院生に教室でこれらを実施した。さらに実務家から構成されている複数のグループの協力を得て、同一のシミュレーションを行ない、予備的データを収集した。この予備的データは、シミュレーションの数値的成果、質問票による定量的データ、プロセスを録音した音声テープからなる。 この予備的データの一部は、類似する先行研究での成果と比較したうえ、ケース・シミュレーションの修正、質問項目の改訂の作業に資した。ここまでの資料とデータの分析結果は、学会報告論文として平成10年度6月開催予定のInternational Association for Conflict Managementと同8月開催予定のAcademy of Managementそれぞれの年次大会委員会に平成10年1月提出されており、発表が認められれば当該学会にて報告する。 なお、最終年度となる平成10年度の研究は、上記学会における報告内容をさらに充実させ出版するため、コラボレーション・プロセスについてのデータ収集と企業提携の国際的組織間関係についての資料収集と調査を実施し、より充実した実証分析と、定性的資料分析による論証を行なう。
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