1997 Fiscal Year Annual Research Report
電解酸性水の家兎正常膝関節への影響と化膿性関節炎に対する効果
Project/Area Number |
09877296
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 俊二 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60196160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 晴夫 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20295819)
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Keywords | 電解酸性水 / 膝関節 / 化膿性関節炎 |
Research Abstract |
(実験1) 家兎を次の3群に分け実験を行った。家兎膝関節腔内に電解酸性水による関節洗浄を試行した群、生理食塩水による関節洗浄を試行した群、穿刺のみで関節洗浄を試行しなかった群に分けた。各群とも5日間連日関節洗浄を試行した後、家兎を屠殺した。まず、処置を加えた膝関節を肉眼的に観察した。肉眼的観察では各群に差は無く、軟骨の光沢、色調とも正常の膝関節軟骨を呈しており、肉眼的には異常を認めなかった。続いて、大腿骨顆部を組織標本として採取し、一部は透過型電子顕微鏡観察のために用いた。標本はホルマリン固定後HE染色を行った。電解酸性水による洗浄施行後の膝関節軟骨はHE染色では、軟骨細胞の配列の乱れが存在し、多核の軟骨細胞の出現を認めた。透過型電子顕微鏡的観察では、関節軟骨の最表層に存在するはずのsuperficial layerが欠如していた。 (実験2) 実験1と同様に電解酸性水による膝関節腔内洗浄を5日間連日試行した後、8週経った後の標本を採取し、実験1と同様にHE標本と、電子顕微鏡標本を作製した。HE染色では、軟骨細胞の配列の乱れも無く、正常の関節軟骨の形態を呈していた。電解酸性水による関節洗浄直後に関節軟骨に認められた多核の軟骨細胞は、8週後の標本では存在していなかった。透過型電子顕微鏡的観察では、関節軟骨の最表層にはsuperficial layerが存在しており、形態学的にも正常であった。 これらの実験により、電解酸性水による関節腔内洗浄は、洗浄直後では関節軟骨表層に微細な変化とも言える障害をもたらすことが判明した。しかし、8週後の標本では関節軟骨の形態は正常の形態を呈しており、洗浄直後に関節軟骨に与えられた障害は修復可能な範囲のものであろうと推察された。
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