Research Abstract |
[神岡実験施設] (1)実験室空洞下段進入路コンクリート壁取付け工事:最下段進入路にコンクリート壁(幅4m,高さ8m)を取付け,直径1.3mのマンホールを壁の一部に配置した。(経費は大学からの支援) (2)検出器内及びデータ収集電子回路室内の消火設備の設置:1,200m^3液体シンチレータ槽内とデータ収集電子回路室内に消火設備を装備するよう指導があった。このため,炭酸ガス消火装置と泡消火装置の2種類の装置及び附属する温度センサー,警報表示灯,配管類の取付けを行った。(経費は大学からの支援) (3)電力供給用電源キュービクルの追加:アメリカグループの参加によって実験装置が増えたため,使用する電力量が当初予定よりも100kVA増加した。このため,既に平成10年度に設置した3台の電源キュービクルの他にさらに1台追加した。(経費は大学からの支援) (4)漏水用シート及び屋根の設置:実験室ドーム天井やドームに漏水シートの取付け,漏水よけ屋根の設置,漏水排出配管の取付けを行った。(経費は大学からの支援) [実験装置の建設状況] (1)3,000m^3ステンレス製タンク内へのシンチレーション光検出装置の取付け (1)17インチ及び20インチ光電子増倍管の設置:6月から1,300本17インチ,600本20インチ光電子増倍管の3,000m^3ステンレス製タンク内取付けを行った。全作業は9月下旬に完了した。 (2)液体シンチレータ・バルーンの形状モニター,各種計測器の設置:3,000m^3ステンレス製タンクの壁面には実験中のバルーンの形状を監視するCCDカメラ30台と温度計,透過率測定用光源が取付けられた。 (3)アクリル板設置:光電子増倍管の取付けと同時作業として,光電子増倍管の前面に配置される120枚の菱形(1辺の長さが約2.8m)のアクリル板(平成11年度に製作)をタンクに取付けた。 (2)1,200m^3液体シンチレータ・バルーンの開発,製造,タンク内設置 (1)開発:最終バルーンの製作を開始する前にバルーン素材の特性,バルーン形状,バルーン支持方法,高周波溶着,バルーンタンク内挿入方法等における技術的検討課題を総点検することによって,最終バルーンの製作を確実なものにする目的で専門家による技術評価委員会を設置し,討議・提言を得た。そしてこれらの提言をもとに再度6m直径のバルーンを試作し,ほぼ計算通りの強度を持つバルーンを作ることができた。 (2)製造:これまで得たバルーン製作のノウハウを全て投入して10月中旬から,最終バルーンの製作に取りかかった。製作は企業と研究者の共同作業で行われ,平成13年1月27日に終了した。 (3)タンク内設置:製作した液体シンチレータ用プラスチック・バルーン,および網目状のバルーン支持構造をタンク内に設置する作業を平成13年2月上旬から開始し,窒素充填,漏れ試験を行い,平成13年3月に設置作業を終了させる予定である。 (3)水チェレンコフ宇宙線検出器の設置:岩盤と3,000m^3ステンレスタンクの間に超純水を満たし,岩盤から放出される放射能をシールドするとともに,この中にカミオカンデで使用した20インチ光電子増倍管を配置して,実験装置の外部から進入する宇宙線ミュー粒子を検知する水チェレンコフ宇宙線検出器を設置した。 (4)窒素ガス生成装置の設置:窒素ガスを坑内空気から作り出す,窒素製造装置,酸素・水分除去装置,ラドン除去・窒素液化装置を設置した。 (5)データ収集,転送,解析用電子計算機の設置:ニュートリノ科学研究センターと茂住地区の抗外研究室のデータ解析用電子計算機群,地下実験室内にデータ収集用・転送用電子計算機を設置した。 (6)データ収集情報処理電子回路の開発:回路の一部を実際に使用する場所である地下実験室に設置し,雑音や環境による性能劣化に対する現場試験を行った。この結果を基にして約2600チャンネルの電子回路の大量製作を開始した。 (7)データ解析用プログラムの開発,整備:平成13年度の実験開始に合わせて,データを規定の書式で保存する各種プログラム,物理解析を行うための解析用プログラムの開発を行っている最中である。
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