2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンH3バリアントとその相互作用因子によるクロマチン形成機構の解析
Project/Area Number |
09J04280
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
越阪部 晃永 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒストン / ヒストンバリアント / クロマチン / ヌクレオソーム / ヒストンシャペロン / NASP |
Research Abstract |
真確生物のゲノムDNAは、ヌクレオソームを基本単位としたクロマチンとよばれる高次構造体として核内に収納されている。ヌクレオソームの構成因子であるヒストンには、バリアントが存在することが知られている。このうち、H3バリアントは、生体内でそれぞれ異なる染色体領域に局在し、特異的な機能を果たしていると考えられている。しかし、H3バリアントのクロマチン形成における詳細な役割は未だ明らかにされていない。そこで、H3バリアントの生体内における機能発現は、それぞれ特異的な相互作用因子群によってなされていると考え、本年、申請者は、ヒト由来のH3バリアント/H4複合体をリコンビナントタンパク質として精製し、HeLa細胞抽出液を用いて、新規ヒストン結合因子およびH3バリアント相互作用因子群のプロテオーム解析を行った。プロテオーム解析の結果、H3バリアントと相互作用する因子の候補が、3404種類得られた。さらに、相互作用因子の候補から、NASP(Nuclear Autoantigenic Sperm Protein)を同定した。NASPは、これまでにヒストンと結合することが報告されているものの、その詳細な機能は明らかにされていなかった。そこで、申請者は、すべての体細胞での発現が確認されているsomatic NASP(sNASP)をリコンビナントタンパク質として発現させ、高純度に精製する系を確立した。精製タンパク質を用いた生化学的解析から、sNASPはすべてのH3バリアントと相互作用すること、そしてsNASPがヌクレオソームの形成を促進するヒストンシャペロン活性を有すること、さらに、その活性は,H3バリアントによって大きく異なることを明らかにした。また、欠失変異体を用いた生化学的解析から、sNASPのヒストンシャペロン活性に重要なドメインを同定した。これらの成果は、申請者が第一著者としてJournal of Biological Chemistryに受理され、4月に掲載される予定である(in press,2010)。
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[Presentation] Fanconi貧血原因遺伝子FANCD2およびFANCIの生化学的機能解析(Functional analyses of the Fanconi anemia proteins, FANCD2 and FANCI)2009
Author(s)
佐藤浩一, 戸田和江, 古越聡, 越阪部晃永, 立和名博昭, 堂前直, 石合正道, 小布施力史, 木村宏, 高田穣, 胡桃坂仁志
Organizer
第32回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
2009-12-10
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