2009 Fiscal Year Annual Research Report
太陽から磁気赤道域に侵入する擾乱エネルギーの輸送過程解明
Project/Area Number |
09J05068
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 洋介 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 電離圏 / 電離圏電流 / Sq / E層 / 地上磁場 / 地磁気 / 赤道ジェット電流 / 高層大気 |
Research Abstract |
修士課程で発見された、磁気赤道域における赤道ジェット電流を打ち消すセンスのSFE(geomagnetic solar flare effect)について、観測事実・物理的解釈をまとめ国際誌に投稿、受理された。 電離圏に侵入できる光エネルギー及び電磁エネルギーを地上磁場変動データから定量的に正しく評価するためには、背景場(Sq場)の変動についての定量的な理解が重要である。そこで、九州大学CPMNグローバル地磁気ネットワークの過去10年以上にわたる蓄積データを利用したSq場の経験モデルの構築が始められた。まずSq変動の長期的変動特性を明らかにする目的でSq場の年周期・半年周期変動を調査した。その結果、Sq場の年周期・半年周期変動の空間分布には顕著な違いがあることが明らかとなった。結果はまとめられ国際誌に投稿、受理された。 年周期・半年周期変動よりもさらに長周期のSq変動の特性を調べるため、Sq場の太陽活動度依存性を調査した。その結果、Sq場の季節変動成分(年周期・半年周期変動)と定常成分では太陽活動度への依存の仕方に顕著な違いが見られることが発見された。この結果については現在執筆中であり、国際誌に投稿する準備がある。 これらの結果に基づき、適当な関数フィッティングからSq場の経験モデルの構築が行われた。Sq場の地方時依存性、緯度依存性、季節依存性、太陽活動度依存性を再現できる観測経験モデルは過去になく画期的な試みと言える。経験モデルの構築手法や初期結果についてAGU学会等で発表を行った。ただ、現在の方法では、磁気赤道域におけるSq場の急激な空間分布変動を再現する部分に難があり、この問題を解決するための新たな手法を現在開発中である。
|