2010 Fiscal Year Annual Research Report
太陽から磁気赤道域に侵入する擾乱エネルギーの輸送過程解明
Project/Area Number |
09J05068
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 洋介 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電離圏 / 電離圏電流 / Sq / E層 / 地上磁場 / 地磁気 / 赤道ジェット電流 / 高層大気 |
Research Abstract |
柿岡地磁気観測所の50年分の地磁気データ解析から太陽活動の変化に伴うSq変動の変化、季節変動の変化を調査した。その結果、Sq変動とその季節変動両方が太陽活動度の変動に伴い激しく変動していることが明らかになった。結果は国際誌に投稿、受理された(Yamazaki, Y. and K. Yumoto (2011), Long-term behavior of annual and semi-annual Sq variations, Earth Planets Space, in press)。 過去の研究においては、磁気赤道における電離圏電流(EEJ)の生成過程は中低緯度における電流系(Sq電流系)のもとは異なり、それゆえEEJとSq電流は独立に変動していると考えられてきた。磁気赤道域をカバーできる九州大学の210度磁気子午線沿いの観測点データを解析することによりこの点の検証を行った。この結果、太陽活動の変動や地球の公転に伴い、EEJはSq電流と同じように変動していることが明らかとなり、EEJはSq電流系の一部であることが結論された。この結果は国際誌に投稿、受理された(Reexamination of the Sq-EEJ relationship based on extended magnetometer networks in the east Asian region, J. Geophys. Res., 115, A09319, doi : 10. 1029/2010JA015339)。 これらの結果に基づき、適当な関数フィッティングからSq場の経験モデルの構築が行われた。Sq場の地方時依存性、緯度依存性、季節依存性、太陽活動度依存性を再現できる観測経験モデルは過去になく画期的な試みと言える。経験モデルの構築手法や初期結果について学会で発表を行い、手法や結果に関する議論を行った。この経験モデルの構築と結果については既に国際誌に2篇投稿済みである。
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