1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041021
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮岡 伯人 京都大学, 文学研究科, 教授 (60002979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎山 理 国立民族学博物館, 教授 (10030131)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (50243374)
堀 博文 静岡大学, 人文学部, 講師 (10283326)
津曲 敏郎 北海道大学, 文学部, 教授 (80113588)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
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Keywords | エスキモー語 / アリュート語 / 北米インディアン諸語 / 古アジア諸語 / ツングース諸語 / パプア諸語 / 環太平洋の言語 / 消滅の危機に瀕した言語 |
Research Abstract |
1. 平成10年7〜9月あるいは平成11年1〜3月の約1乃至2、5ケ月を参加者各人が現地調査に充て、11月下旬に研究分担者・Anthony Woodburyを日本(京都大学)に招聘し、その際、研究分担者・協力者全員に若干の部外者をくわえて研究会を開いた。 夏あるいは冬の現地調査では、現地に在住する研究分担者のElsie Mather、Michael E.Krauss,Kevin Fordから調査ならびに研究上の助言と指導ならびに便宜供与をえながら、各人がこれまでに蓄積してきた言語資料の整理と分析にたいする反省にもとづいて,不足部分の補完をなすとともに,新たな側面に関する調査を行った。いずれも、危機に瀕したそれぞれの言語について、詳細で良質の記述文法の完成を目指すものである。内容は下記2〜5。 Woodburyには、上記研究会で二つの講演を依頼するとともに、夏の各人の調査結果の検討ならびに平成11年春に刊行予定の英文論文集(Languages of the North Pacific Rim,Vol.5)の作成に助言と協力をもとめた。報告書の前巻(131頁)はすでに平成10年7月に刊行されている(研究発表・図書に記載)。 2. エスキモー語は研究代表者が形態・統語法の諸問題、シベリア・エスキモー語は協力者の永井が音韻法、アリュート語は大島が形態法の諸問題の解明に重点をおいた調査を行った。代表者はまた、自らの現地調査と研究協力者にたいする指導にくわえて、アラスカ大学アラスカ原住民言語研究所のKraussら研究者と情報交換を行った。 3. インディアン諸語については、分担者の堀、渡辺、笹間が研究代表者と密接に連携かつ協力しながら、各言語の形態法・統語法に関する調査を進めた。 4. シベリアの諸言語については,呉人がチュクチ語の名詞抱合の細部を精査し、ツングース語研究者である津曲と風間は、従来から取り組んできた、それぞれエヴェン語、ナーナイ語の統語法の調査を進展させることができた。 5. オーストロネシア語族については、崎山がパプアニューギニア等の急速に衰退しつつある原住民言語の現状と現地研究者による研究の実態を調査し、千田が崎山とFordの指導のもとにドム語の音韻・形態法に関する基礎調査を行った。
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