2000 Fiscal Year Annual Research Report
サハリン大陸棚石油・天然ガスの「開発と環境」に関する学際的研究
Project/Area Number |
10041058
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 隆 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20261357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 紘一 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10091414)
吉田 文和 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70113644)
山村 悦夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00001230)
佐伯 浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001209)
皆川 修吾 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (60121472)
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Keywords | ロシア / サハリン / 海洋開発 / 石油・ガス開発 / 環境保全 / 海洋汚染 / サハリン・プロジェクト / 生産分与 |
Research Abstract |
平成12年度は本研究の最終年度に当たり、研究成果報告書を作成することを前提に、3年間の研究の総括を行うことに重点を置いた。「サハリンの開発と環境」の二律背反の問題を分析することが本研究の主たる目的であり、第一に開発によってどのような経済効果が生み出され、市民生活が豊かになったかを検証することにあった。しかし、本計画を開始する時点に比べてロシアの経済困難はますます深刻になり、生産分与方式による外資導入は初期の思惑通りには進まなかった。この3年間に実際に開発に着手できたのはサハリン〜IIプロジェクトだけであり、しかもその開発規模は小さかった。本研究では、生産分与形態が何故進まなかったかを政府の政策不在、政治家の利権抗争、意志決定メカニズムの視点から詳細に解明した。 第二の環境保全の問題に関しては、アラスカの油流出時対応計画を現地調査によってつぶさに分析し、ロシア及び日本と緊急時対応計画を比較することによって、今後ロシアにおいて解決しなくてはならない問題を明らかにした。また、万一の石油流出の場合、ロシアはどのような防除体制をとり、被害が日本に及んだ場合にどのように補償するのかは、我々研究チームの強い働きかけも影響して国際条約の民事条約及び国際基金の1992年議定書を批准した。これによって補償の糸口を確保できた。 オホーツク海の厳しい気象条件の下で、氷塊下に流出油が封じ込まれた場合、どのように回収するのかの実験が引き続き行われた。かなり前進がみられたが、まだ検討の課題が残されている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 村上隆: "サハリン石油・ガスプロジェクトの現状と展望"PETROTECH. 第23巻第10号. 831-836 (2000)
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[Publications] E.Yamamura: "Interaction to development and environment of Sakhalin and Hokkaido arising from model reference adaptive theory"Proceedings of the 8^<th> Symposium on Global Environment. Vol.8. 242-246 (2000)
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[Publications] F.Yoshida: "Environmental Clean-up and Cost Bearing"Economic Journal of Hokkaido University. Vol.29. 19-29 (2000)
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[Publications] K.Inoue: "Lew Szternberg i Bronislaw Pilsudski : Spotkania naukowe i osobiste"Zeslaniec, Etnograf, Polityk : Bronislaw Pilsudski. 147-160 (2000)
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[Publications] S.Minagawa: "Political Clientelism in Primorskii Krai in the Transitional Period"THE SOVIET AND POST SOVIET REVIEW. Vol.25,No.2. 125-148 (2000)
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[Publications] 佐伯浩 ほか: "バケットを利用した流出油の回収に関する基礎的研究"土木学会海洋開発論文集. Vol.16. 123-128 (2000)