1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10041062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高橋 伸夫 筑波大学, 地球科学系, 教授 (50015773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 公明 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (20261646)
村山 祐司 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (30182140)
手塚 章 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60155455)
小田 宏信 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30280001)
平 篤志 香川大学, 教育学部, 助教授 (10253246)
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Keywords | EU統合 / フランス / リヨン大都市圏 / テクノポール / 都市再開発 / 大都市圏構造 / 大都市圏計画 |
Research Abstract |
1999年1月よりEU通貨統合が開始され、EU統合がより実質的なまとまりを有する国家連合になりつつある.本研究は,第二次世界大戦後以来,深化の道をたどってきたEU統合の下で,フランスの国土空間がどのような地域変容を遂げつつあるかを,地域実態に即して動態的・具体的に解明することを目的としたものである. EUの「中軸地域」をなすリール大都市圏において現地調査を行った昨年度に引き続き,今年度はEUの「中間地域」の事例としてリヨン大都市圏を研究対象地域とした.具体的には,リヨン第3大学地理学教室,国立科学研究センター環境・都市・社会研究所,リヨン商工会議所,リヨン大都市圏整備公社,リヨン地方経済開発公社,リヨン市観光局等の研究機関・行政機関,ならびに各テクノポール開発地区・各再開発地区の事務局を訪問し,資料収集および聞き取り調査を行った. リヨンは,古くから繊維工業を発達させ,ローヌ・アルプ地域の中心地域として成長してきた.一方,産業再編の過程で,新たな開発の方向性を常に模索してきた.EU統合下にある今日,リヨン大都市圏は「ユーロ・シティ」としての方向性,すなわち,フランス国内における地域的中心地から,ヨーロッパの一大拠点への脱皮を明確に打ち出した開発政策を具体化させている.テクノポール計画とも関連して,都市再開発や郊外開発拠点の開発促進がEU統合の明示的な影響であろう.都市再開発の事例として,かつて繊維工業の核心をなしたクロワルース地区,中央駅に近いながらも発展の滞っていたコンフルアンス地区,屠殺場などが位置し住工混在をなしていたジルラン地区,TGV駅の開業に伴って計画的新都心の開発が開始されたパールデゥー地区が挙げられ,郊外開発拠点としては中心市街地とサトラス空港の中間に位置するポルトデザルプ地区が代表例である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高橋伸夫、手塚 章: "EU統合下におけるリール大都市圏の構造変容"人文地理学研究. 24. 131-168 (2000)
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[Publications] 村山 祐司: "Changing Spatial Structure of the Lille Metropolitan Area under EU Integration"地学雑誌. 109(掲載予定)・3. (2000)
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[Publications] 平 篤志: "フランス・ノール・パドカレ地域における外国系企業の立地展開"香川大学教育学部研究報告(第1部). 107. 87-100 (1999)