1999 Fiscal Year Annual Research Report
北極低気圧の発達過程とノルウェー海上の水循環に関する研究
Project/Area Number |
10041101
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上田 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80184935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 正弘 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20042319)
早坂 忠裕 国立極地研究所, 教授 (40202262)
遊馬 芳雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10183732)
和田 誠 国立極地研究所, 研究係, 助教授 (40132716)
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Keywords | 北極圏 / 気象擾乱 / ポーラーロー / 極地気象学 / メソスケール気象学 / 雲物理学 |
Research Abstract |
一昨年度12月にスウェーデン・キルナに設置し、現地のスウェーデン宇宙物理研究所の協力を得てデータを取得した気象観測用Xバンド鉛直ドップラーレーダーを6月に撤収し、日本に輸送した。得られたデータを解析した結果、スウェーデン・キルナ地方の降水はスカンジナビア山脈の影響を強く受け、空気魂の斜面上昇による山岳性降水やノルウェー海上を北上する低気圧に伴う上層の前線からの弱い降水が山脈の強制上昇の影響を受けた下層雲によって増強されていることが明らかとなった。 10月にノルウェー・トルムソ、ノルウェー海の中央に位置するベアー・アイランドのノルウェー気象局の気象台や測候所、スピッツベルゲン島・ニーオルセンにある国立極地研究所の観測施設に出かけ、北極圏の低気圧に関する資料やデータを収集した。また、その際に簡易気象観測機を設置して北極圏の低気圧に関してのデータを取得した。 これらのデータは厳冬季を含む北欧北極圏やノルウェー海上での雲や低気圧の構造・発達過程、水循環・輸送過程が明らかになり、ポーラーローを含む北欧北極圏での気象擾乱の構造や水・エネルギー循環を明らかにするための基礎データとなることが期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Asuma, Y.: "Wintertime precipitation behavior in the western Canadian Arctic region"J.Geophys.Res.. (印刷中).
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[Publications] Kajikawa, M.: "Supercooled drizzle formed by condensation-coalescence in the mid-winter season of the Canadian Arctic"Atmos.Res.. 2000・52. 293-302 (2000)
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[Publications] Hayasaka, T.: "Optical properties of aerosols derived from simultaneous measurements with lidar,sunphotometer and aureolemeter"Appl.Opt.. 38. 1630-1635 (1999)
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[Publications] 梶川 正弘: "降雪粒子の落下運動に関する研究"天気. 46・2. 75-85 (1999)
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[Publications] Shiobara, M.: "An overview and preliminary results from the Arctic airborne measurement program 1998 campaign"Polar Meteorology and Glaciology. 13. 99-110 (1999)
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[Publications] Ogawa, N.: "Chemical characterization of acid fog and rain of Akita in northern Japan"Int.J.Soc.Mat.Eng.Resources. 7. 288-295 (1999)
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[Publications] Ogawa, N.: "Cloud droplet size dependence of concentrations of various various ions in cloud water at a mountain ridge in northern Japan"Atmos.Res.. 51・1. 77-80 (1999)