1999 Fiscal Year Annual Research Report
μ→e^++γ実験のための大強度静止ミュービームおよび測定装置の調査研究
Project/Area Number |
10041128
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
真木 晶弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40044755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (70196757)
春山 冨義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
久野 良孝 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30170020)
長坂 康史 長崎総合大学, 工学部, 助手 (20299655)
新井 康夫 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90167990)
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Keywords | レプトンフレーバー / 超対称性理論 / 大統一理論 / ミューオン / 液体キセノン・シンチレーション・カロリメータ |
Research Abstract |
μ→e^++γ実験の観点から、現在使用可能なミューオンビームの調査をおこなった。ビーム強度、質、研究所の受け入れ体制からして、スイスのポールシェラー研究所(PSI)が最適であるとの結論を得た。 実験の具体的な設計について、陽電子分析系は、超伝導薄型ソレノイド電磁石を主体とする設計を行い、気球実験BESSに使用されている超伝導薄型ソレノイド電磁石を基本にして、非一様ソレノイド磁場を持った、一定半径軌跡スペクトロメータ(COBRA)のアイディアに到達する。これにより、高エネルギー陽電子の選択的トリガーを容易にし、かつ、軌跡の図形認識を容易にすることができた。一方、光子測定のためのカロリメータは液体キセノンカロリメータの可能性を追求した。液体キセノンカロリメータはこれまで電離カロリメータとして用いられてきたが、本実験で要求される性能を実現するには、蛍光信号を用いることがより実際的で、かつ高性能が期待される事が判明した。既存および建設中の低温液体カロリメータ(液体Xe,Kr,Ar)の調査により、Xeの液化方式(小型冷凍器による直冷方式)、粒子入射窓のハニカム化、多線信号線、高圧線の導入コネクターと高圧絶縁線の見通しを得た。容器の強度計算を含む第1次設計を終えた。 実験全体の見通しがたち、実験提案書を作成しPSI研究所へ提出し、実験承認を得た。 現在は液体キセノンカロリメータの建設に向けて、ガスの液化、冷却、回収システムの具体的な検討に入ると同時に、液体キセノンの物性に関して基礎的な試験研究を進めている。
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