1999 Fiscal Year Annual Research Report
小アジアとその周辺地域における大規模な組積造建築の構造と修復に関する学術調査
Project/Area Number |
10041135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日高 健一郎 筑波大学, 芸術学系, 助教授 (30144215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常田 益代 北海道大学, 留学生センター, 教授 (80291847)
坂本 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
鈴木 博之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011221)
河辺 泰宏 愛知淑徳大学, 現代社会学部, 教授 (70195139)
佐藤 達生 大同工業大学, 工学部, 教授 (40131148)
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Keywords | ハギア・ソフィア大聖堂 / ドーム / 実測 / 写真測量 |
Research Abstract |
本年度は、(1)ドーム基部を指示する方形ドーム・ベースの東西辺の変形測量、(2)堂内地上階床面とギャラリー階床面の水準測量、(3)円柱の傾斜測量、(4)円柱の細部記録作成、(5)第二コーニスの細部調査、(6)南北大アーチ端部の立体形状測定(以上イスタンブール)、(7)シリア、ヨルダンにおける関連遺跡の目視調査を実施した。 (1)では、ドーム・ベース東西辺が中央部に向かって内傾する様子が実測でき、外側に膨らむ南北辺(昨年度の実測)とともに、ドームの変形を直接反映するドーム・ベースの変形実測が完成した。今後はこの実測値にもとづき、メインストーンの考察・推定を検証する。 (2)、(6)、(7)は現在整理中である。 (3)、(4)は堂内のすべての円柱を対象としており、一種の「コルプス(集大成)」をなす貴重な記録であるが、記述方法、図示と視覚化、隣接部位(アーチ、壁面、腰壁等)との関係など、検討項目が多く、補足調査も必要であり、作業は進行中である。 (5)では、既往研究(バトラー)の成果と限界をふまえつつ、詳細なビデオ撮影の結果を現在整理中である。 観測・実測データの整理に時間を要するため、今年度の調査活動は現段階で具体的成果に達していないが、去年度調査の結果は別記のように施工線に関する論文としてまとめ、2000年度にイスタンブールで開かれる国際学会で発表する。2000年度発行の研究成果報告書の準備、2000年度末に開催する研究成果報告会の準備も進めている。
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