1999 Fiscal Year Annual Research Report
中国の有害元素(フッ素、ヒ素)汚染地下水の環境調和型水質改善技術の開発
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10041147
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袋布 昌幹 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助手 (50270244)
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
中西 和樹 京都大学, 大学院・工学研究所, 助教授 (00188989)
徳永 修三 通商産業省, 工業技術院・物質工学工業技術研究所, 主任研究官
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Keywords | 中国 / フッ素汚染水 / ヒ素汚染水 / 飲料水 / 水質改善 / 実地調査 / 生体模倣反応 / ゼロエミッション |
Research Abstract |
本研究課題,「中国の有害元素(フッ素,ヒ素)汚染地下水の環境調和型水質改善技術の開発」は,平成7〜9年度に文部省国際学術研究(学術調査)の補助のもとで行った,「エコマテリアルを用いた中国におけるフッ素汚染地下水の水質改善技術の開発」に続く調査研究として行ったものである。本調査研究では中国におけるフッ素やヒ素で汚染された地下水の問題,それに対する対策の実態調査を進め,更にフッ素汚染水については、生体模倣反応による新しい水質改善プロセスを組み込んだ飲料水化技術の開発を行った。フッ素やヒ素による水汚染の原因は、フッ素濃度が高い地下水をも飲料水として使用せざるをえない水事情、またヒ素については、フッ素濃度が低い、より深い位置にある地下水がヒ素によって汚染されていることによるとわかった。このように、汚染されていることを承知しつつも、汚染水処理技術開発、あるいは処理技術の普及の遅れによってこの問題が現在も拡大しつつあることがわかった。そして、ヒ素汚染水問題解決のためにもフッ素汚染水処理技術開発が有効であるとの認識に達した。そこで、多量の汚染水を経費や資源の使用を最小限とするエコマテリアルとして、リン酸カルシウム-フッ素アパタイト系化合物を用いる、生体模倣反応によるフッ素除去法を検討した。この化合物を用いることにより、従来の方法であるフッ化カルシウム沈殿法や活性アルミナ吸着法よりも高い効率でフッ素の除去が可能であることを見出した。この反応で生成するフッ素アパタイトはフッ素やリン資源としても有用であり、汚染物質から資源を回収するという、ゼロエミッション的な環境問題対応技術であり、この更なる発展が中国におけるフッ素汚染水問題解決の糸口となるものと考えられた。
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[Publications] 袋布昌幹,丁子哲治: "リン酸カルシウムを用いた生体模倣プロセスによる汚染水中のフッ素の資源化"エコテクノロジー研究. 5(2). 224-225 (1999)
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[Publications] T. Chohji,M. Tabata,C. Nakagawa: "Time series analysis of long-term variations in water quality of river"Proceedings of the Third Asian Symposium on Academic Activity for Waste Management. 433-442 (1999)