1998 Fiscal Year Annual Research Report
農工共生社会形成のための地域環境資源の持続的管理手法の創生に関する研究
Project/Area Number |
10041182
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣瀬 昌平 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00102517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 裕明 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (70147669)
増田 美砂 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70192747)
池田 寛二 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (60144622)
林 幸博 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (90277400)
河野 英一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20096811)
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Keywords | NO_3-N濃度 / 循環型技術 / 水源涵養林 / 水田灌漑水 / 水利権 / 農工共生社会 / 農地生態環境 / バンドン市周辺農村 |
Research Abstract |
インドネシア、西ジャワ・バンドン市周辺農村への紡績・染色工場の進出は1980年代に急激になり、これら工場はその水源を水田灌漑水に求め、その廃水を同じく水田水路への放水で処理している。一方、農耕地では化学肥料、農薬が多用され、これら両者による農地生態環境の劣化が進行している。水稲作の不適地である高冷地・中山間地(標高1200米以上)では酪農と高原野菜栽培が河川上流部から下流への水質悪化を助長し、これらの影響を強く受けた湧水や工場周辺の井戸水のNO_3-N濃度を水田地帯の2-4倍(5.33-9.38mg/l)にも高めている。このような現状を改善するためには、まず、高地における水源涵養林の保全と農耕地における地域資源の活用による循環型技術への転換が求められる。農民の中には、既に水田内外の雑草を利用した養魚と水田跡地へのアヒルの導入による土壌の肥沃化と収益増を兼ねて成果を上げている(ミナ・パデイシステム)。さらに、従来の単一品種、単一栽培から水稲と畑作(palawija)との輪作(tumpansari)による多毛作への転換が視られる。しかも、現地に存在する比較的高収性の在来種、農機具を利用したSUPシステムの導入も計画されている。 農工共生社会の形成は両社が如何に協調するかであるが、その基本は水資源の共用である。そのためには、水利権および土地所有制度を明らかにした上で、水資源をどう分かち合うかの方法を探ることである。それなしに、農業の持続性は不可能である。さらに、この数年来インドネシアの経済危機から多くの工場労働者が農村に帰休し農産物を原料とした小規模な家内工業を始めているが、この傾向は農工共生の視点から有益である。
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Research Products
(1 results)