2000 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルCO_2リサイクルのための新触媒および新電極の創製
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10044118
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
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Keywords | 二酸化炭素リサイクル / 地球温暖化 / ニッケルジルコニウム合金 / メタン化触媒 / 単斜晶ジルコニア / 正方晶ジルコニア / サマリウム / アモルファス合金 |
Research Abstract |
これまでに、液体急冷アモルファスNi-Zr合金リボン触媒が二酸化炭素の水素化によるメタン生成反応に対して高い活性を示すことを見い出し、昨年度は大量生産に有効なガスアトマイズ法によるNi-Zr合金およびNi-Zr-Sm合金の急冷凝固粉末を作製し、それらの触媒能を評価した。その際、Ni-40Zr合金粉末触媒は従来の含浸法触媒よりも高活性を示すが、アモルファスNi-40Zrリボン触媒より低活性である問題が生じた。本年は特にこの問題の解決に必要と考えられる触媒形成過程の機構の基礎的解明に関わるアモルファスNi-Zr合金およびアモルファスNi-Zr-Sm合金の酸化過程の検討を行った。酸化生成物を制御すべく、数種類の組成の合金を作製し、Ni含有量およびSm含有量の関数として酸化挙動を詳細に調べた。Ni-Zr合金の500℃の大気中における酸化速度はNi含有量の高い合金の方がZr含有量の高い合金より大きく、またSm添加により、酸化速度はさらに上昇した。Ni-Zr合金を酸化した場合は、NiOの他に、準安定相である正方晶ジルコニアと安定相の単斜晶ジルコニアが生じた。正方晶ジルコニアの割合は、合金中のNi含有量の増大と共に増大した。正方晶ジルコニアの結晶粒径は12nmより小さく、正方晶が安定に存在できるサイズであった。Smを5at%以上添加した場合には、単斜晶相は出現しなかった。Niの効果は細かく分散したNiOがジルコニアの結晶粒成長を妨げるものと推察した。また、Smはそれ自身の酸化物によるX線回折は示さないことから、ジルコニア結晶中に固溶し、価数が小さいために、正方晶相を安定化したものとの結論を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yamasaki,H.Habazaki,A.Kawashima,K.Asami,E.Akiyama and K.Hashimoto: "Oxidation Behavior of Amorphous Ni-Zr and Ni-Zr-Rare Earth Element Alloys"High Temperature Corrosion and Materials Chemistry. 99-38. 180-191 (2000)
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[Publications] M.Mehmood,E.Akiyama,H.Habazaki,A.Kawashima,K.Asami and K.Hashimoto: "Effect of Nanocrystalline Heterogeneity on the Corrosion Behavior of Sputter-Deposited Chromium-Niobium Alloys"Corrosion Science. 42. 361-382 (2000)
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[Publications] K.Asami,E.Akiyama and K.Hashimoto: "XPS Determination of Diffusion Coefficients of Cations in Thin Passive Films on Alloys"Solid State Phenomena. 72. 79-84 (2000)
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[Publications] K.Asami,E.Akiyama and K.Hashimoto: "Angle-Resolved XPS for Determination of Diffusion Coefficients and Mobilities of Cations in Thin Passive Films"Surf.Interface Anal.. 30・1. 106-111 (2000)
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[Publications] 橋本功二 他: "グローバル二酸化炭素リサイクル -地球温暖化防止と豊富なエネルギー供給のために-"エレクトロヒート. 111. 1-9 (2000)
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[Publications] 浅見勝彦: "各種表面分析法による金属表面の反応生成物解析"高温学会誌. 26・5. 171-177 (2000)