1998 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能におけるヒスタミンの役割の解明……遺伝子改変動物を用いて
Project/Area Number |
10044229
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 浩 東北大学, 医学部, 講師 (60250742)
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 教授 (50192787)
前山 一隆 愛媛大学, 医学部, 教授 (00157158)
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
渡辺 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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Keywords | ヒスタミン / 遺伝子改変動物 / ノックアウトマウス / H_1受容体 / H_2受容体 / ヒスチジン脱炭酸酵素 / ヒスタミンN-メチル基転移酵素 / 脳機能 |
Research Abstract |
本年度の研究では、ヒスタミンの合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)遺伝子ノックアウト(-/-)マウスを作成し評価したのでこれを記載する。野生型(+/+)、ノックアウト(-/-)マウスの各臓器、特に、胃、脳のHDC活性とヒスタミン含量を測定した。-/-マウスのHDC活性は、胃、脳では、+/+マウスのそれぞれ、0.13、7.6%であった。一方、ヒスタミン含量は、-/-マウスの胃、脳では、+/+マウスのそれぞれ、0.4、15%であった。従って、このヒスタミンの由来として、ヒスタミンが腸管から吸収される可能性を考えた。市販のマウス餌(日本農産、ラポMRブリーダー)のヒスタミン含量は、14.6ng/gであったので、ヒスタミン量を低下させた餌(#3,0,276ng/g)を調製した。この#3の餌を5日間投与すると、-/-マウスの脳のヒスタミン含量は、普通食投与マウスのそれの78%?に低下した。この餌に15mg/gのヒスタミンを添加したものを投与したところ、ヒスタミン含量は、約3倍になっていた。即ち、ヒスタミンが、腸管から吸収され、視床下部、最終野など血液脳関門の疎なところから入るものと思われる。12時間の明暗周期下に飼育し、自発運動の日内リズムを測定したところ、-/-マウスにおいては、夜間の行動量が減少していた。このことは、ヒスタミンは、生体内では覚醒アミンとして働いているという古くからの仮説を支持するものである。メタンフェタミン1mg/kgを腹腔内投与し、自発運動量を測定すると、-/-マウスでは+/+マウスに比して増加し、かつその持続時間も延長していた。このことはヒスタミンは、覚醒剤の急性運動促進効果を抑制するというこれまでの行動薬理学的結果と一致する
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Kuramasu: "Mast cell/basophil-specific transcriptional regulation of human L-histidine decarboxlase gene expression by CpG methylation in the promotor region." J.Biol.Chem.273,47. 31607-31614 (1998)
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[Publications] K.Maeda: "Induction of L-histidine decarboxylase in a human mast cell line,HMC-1." Exp.Hematol.26,2. 325-331 (1998)
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[Publications] Y.Takeshita: "Histamine modulates high-voltage-activated calcium channels in neurons dissociated from the rat tuberomammillary nucleus." Neuroscience. 87,3. 797-805 (1998)
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[Publications] H.Toyota: "Decreased central histamine in amuygdaloid kindling rats." Brain Res.802,1. 241-246 (1998)
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[Publications] K.Yanai: "Behavioral characteriztion and amouts of brain monoamines and thir metabolites in mice lacking histamine H1 receptors." Neuroscience,. 87,2. 479-487 (1998)
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[Publications] K.Yanai: "Tageting disruption of hsitamine H1 receptors in mice: Behavioral neurochemical characterization." Life Sci.62,13. 1607-1610 (1998)
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[Publications] K.Maeyama: "Progress in HPLC-HPCE,Vol.7(Ed.By G.A.Qureshi)" VSP, 65 (1998)
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[Publications] K.Onodera: "The Histamine H3 Receptors as Targets for New Drugs." Elsevier, 13 (1998)