1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本住血吸虫感染抵抗性および肝線維化の遺伝的調節機構
Project/Area Number |
10044317
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Joint Research . |
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
平山 謙二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60189868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 荘明 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00009622)
張 紹基 中国江西省寄生虫病研究所, 教授
袁 鴻昌 中国上海医科大学, 医学部, 教授
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Keywords | 日本住血吸虫症 / 中国 / 集団治療 / 再感染抵抗性 / HLA / 肝線維症 / 高リスク集団 / 遺伝 |
Research Abstract |
中国楊子江流域の江西、湖北、四川などでは、現在でも日本住血吸虫症の侵淫地が広がっている。1992年より有病率が15%を超える地区では年に1度住民全員を対象に集団治療が試みられたが、感染率に大きな改善はみられなかった。本研究では集団治療の行なわれた地区を対象に再感染に対する抵抗性あるいは感受性の集団を規定し、そのHLA型の特徴を解明すること、及び、慢性の肝線維症の抵抗性及び感受性に特徴的なHLA型の分子レベルでの解析を目的として研究を行なった。 1. 再感染抵抗性とHLAとの関連 対象としたのは、Poyang湖に浮かぶ南山島で従来より漁民を中心に50%以上の感染率を記録していた地区であるが、1990年より毎年集団治療が行なわれ、現在15%前後の侵淫度を示している。この地区の住民の記録より漁民で高リスク集団に属する者のうち過去5年に亘ってほとんど感染していない者、頻繁に感染を繰り返す者が存在することが明かとなった。これらのうち血縁のない者についてHLA-DRBlのDNAタイピングを行なった。計画では、劉助手が来日する予定であったが、HLA型決定は、研究代表者らが担当したため来日は中止し、劉助手は疫学調査を行なった。現在のところ有意な頻度の相違を示すHLAのタイプは認められていない。 2. 肝線維症に対する抵抗性HLAアレルDRB1^*1101の解析 南山島の患者のうちHLA-DRB1^*1101を有する患者を選定し、30mlの静脈血を採取し、南昌においてリンパ球に分離後凍結し、日本へ輸送し、リンパ球はサイトカイン産生能を測定し.た後、T細胞クローンを作製し、その認識する抗原分子の解析に供した。
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Research Products
(1 results)