1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10045010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓼沼 宏一 一橋大学, 経済学部, 助教授 (50227112)
山崎 昭 一橋大学, 経済学部, 教授 (70143716)
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Keywords | 経済制度 / 経済規模 / 効率と衡平 / 情報的効率性 / 手続き的衡平性 / 効率と権利 |
Research Abstract |
経済制度と社会規範の新たな生成と変貌を、フランス社会科学高等研究院の経済学者と緊密な研究交流を行いつつ理論的に研究することが、このプロジェクトの課題である。今年度はフランスからマーク・フローベイ、アントン・スーベイランの両教授を招いて一橋大学を拠点とする共同研究を推進するとともに、鈴村興太郎(研究代表者)と蓼沼宏一(研究分担者)が渡仏して、パリおよびツールーズの社会科学高等研究院を拠点として、セルジュ・コルム教授、マーク・フローベイ教授、ジャン・ジャック・ラッフォン教授と討議して、研究をさらに深化・進展させることができた。日本では鈴村・蓼沼が共同で地球温暖化問題の厚生経済学の基礎構築を開始して、地球規模の経済学的・倫理学的な問題に対処するための、経済制度と社会規範の生成・設計に関する研究を離陸させた。既にいくつかの研究成果が、最終的な姿を取りつつある。(1)選択手続きないしメカニズムの内在的な価値に注目して、手続き的衡平性の概念に明確な定義と分析を与える鈴村の研究は、鈴村の日本経済学会・会長講演"Welfare Economics Beyond Welfarist-Consequentialism"に纏められた。第2に、フローベイ、鈴村、蓼沼の共同論文は、社会的選択理論の基本定理(アローの一般不可能性定理)がどの程度まで情報的効率性の公理に依存するかを明らかにして、本年6月にスペインで開催されるSocial Choice and Welfare学会の世界大会で報告される予定である。第3に、スーベイランと鈴村のネットワーク外部性のもとでの競争の厚生効果の研究も、最初の共同論文が完成に近づいている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kotaro Suzumura: "Consequences, Opportunities, and Procedures"Social Choice and Welfare. 16. 17-40 (1999)
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[Publications] Kotaro Suzumura: "Paretian Walfare Judgements and Bergsonian Social Choice"Economic Journal. 109. 204-220 (1999)
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[Publications] Kotaro Suzumura: "Welfare Economics and the Welfare State"Review of Population and Social Policy. 8. 119-138 (1999)
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[Publications] Kotaro Suzumura: "Welfare Economics Beyond Welfarist-Consequentialism"Japanese Economic Review. 51. 1-32 (2000)
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[Publications] 鈴村興太郎: "厚生経済学と福祉国家"季刊社会保障研究. 35. 24-37 (1999)
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[Publications] 鈴村興太郎: "責任と補償-厚生経済学の新しいパラダイム"経済研究. April51(2). (2000)
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[Publications] 鈴村興太郎,後藤晃(共編): "日本の競争政策"東京大学出版会. 493 (1999)