2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10116104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水島 司 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70126283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 安朗 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90212141)
富永 智津子 宮城学院女子大学, 短期大学, 教授 (90217547)
田中 恭子 南山大学, 法学部, 教授 (00167496)
重松 伸司 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20109242)
弘末 雅士 立教大学, 文学部, 教授 (40208872)
濱下 武志 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (90126368)
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Keywords | 南アジア / 移民 / メディア / 商業金融ネットワーク / 講座『現代南アジア』 / 国民統合 |
Research Abstract |
本年は、3カ年計画の最終年度であることから、1.東京大学出版会から順次発行予定の叢書『講座現代南アジア』第6巻「世界システムと地域ネットワーク」の原稿準備、2.前年度に続いての、南アジア系移民の現地社会への適応に関するディスカッションペーパーの刊行、3.2000年12月開催の国際会議The'Nation-State'and Transnational Forces in South Asiaにおける第2セッションの担当、4.研究成果の還元、という四つの目標を立てて活動をおこなった。まず、1の叢書については、研究分担者、協力者のうち、水島司、濱下武志、田中恭子、南埜猛、澤宗則、大石高志が担当することとなり、同じく第6巻を担当する世界システム論担当のメンバーと共に6回の研究会を開催した。本研究の構成員は、それぞれ地域的な商業金融ネットワークの具体的事例を検証し、その性格と特徴について論ずることとなった。それぞれ原稿を準備し、2001年3月中に成果報告として提出する予定であり、来年度以降、叢書の刊行スケデュールにあわせて刊行される運びである。2のディスカッションペーパーについては、『越境する南アジア系移民-ホスト社会とのかかわり-』というタイトルで、研究協力者の澤宗則、南埜猛、関口真理を中心とする計9名の原稿が揃い、2001年1月に刊行した。3の国際会議に関しては、第2セッションをCrossing the Spheres:Media and South Asiaと題して、水島が司会を担当し、研究分担者の井上貴子と海外からの参加者2名が報告をおこない、南アジアのメディアとネットワークの将来像について議論をおこなった。4の研究成果の還元に関しては、国際交流基金のアジア理解講座において、いずれも水島がコーディネーターとなり、「南アジアの20世紀-巨像動く」、「エイシャン・ネットワーク:アジア系移民の現在」という、それぞれ10回の連続講演会を開催し、研究分担者や研究協力者の多くが参加して講演をおこなった。加えて、南アジア系移民に関する関連文献を集中的に収集し、インターネット上でそのリストを紹介し、今後の研究の展開の基礎を固めた。
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Research Products
(18 results)
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[Publications] 長谷安朗: "「移民とイスラム-イギリス多文化主義とパキスタン系移民のイスラム復興-」"『南アジアの宗教と社会』. 50 (1999)
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[Publications] 水島司: "「多民族国家と地方都市」、『地域形成の論理』(坪内良博 編著)"京都大学学術出版会. 164-211 (2000)
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[Publications] 水島司: "Mirasi System as Social Grammar-State,Local Society,and Raiyat in the 18th-19th South India",『南インド・タミル地域の社会経済変化に関する歴史的研究』(国際学術研究研究成果報告書)(水島司 編)"83-117 (2000)
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[Publications] 水島司: "「南アジア:地域ネットワークのゆくえ」、『地域研究論集』"国立民族学博物館・地域研究企画交流センター(発表予定).
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[Publications] 富永智津子: "「東アフリカのインド人-歴史と現状」、『移民から市民へ-世界のインド系コミュニティー』(古賀正則,内藤雅雄,浜口恒夫 編)"東京大学出版会. 72-113 (2000)
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[Publications] 田中恭子(共著): "「東南アジア華人と漢字文化」、『漢字の潮流』(戸川芳郎 編)"山川出版社. 140-154 (2000)
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[Publications] 田中恭子: "「海外華人与中国関係之我見」、『中国僑郷研究』(荘国土,田中恭子,趙文瑠,黄岑 編)"厦門大学出版社. 15-19 (2000)
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[Publications] 田中恭子(共編著): ""Singapore Chinese View of China : A Case Study of Lee Kuan Yew"in Cen Huang,"in New Studies on Chinese Overseas and China (Zhuang Guotu,and Tanaka Kyoko,eds.)."International Institute for Asian Studies. 67-73 (2000)
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[Publications] 田中恭子: "「序章 中国とアジア太平洋の地域秩序」、『現代中国の構造変動 第8巻国際関係 中国とアジア太平洋の地域秩序』(田中恭子 編)"東京大学出版会. 1-36 (2001)
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[Publications] 田中恭子: "『海外人づくりハンドブック シンガポール』(田中恭子 編著)"財団法人海外職業訓練協会. 9-62 (2000)
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[Publications] 重松伸司: "国際移動の歴史社会学-近代タミル移民研究-"名古屋大学出版会. 420 (1999)
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[Publications] 重松伸司: "「現代インドの社会開発と福祉開発-南インドのアメニティと人口-」、『アジアのダイナミズム-経済と社会の変貌-』(井上俊一 編)"日本大学総合科学研究所. 23 (1999)
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[Publications] 重松伸司: "「マレーシアにおける南インド系移民の相互扶助組織」、『移民から市民へ-世界のインド系コミュニティ』(古賀,内藤,浜口 編)"東京大学出版会. 44-55 (2000)
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[Publications] 重松伸司: "『共生のシステムを求めて-東南アジアを手がかりに-』(中部高等学術研究所 編)"中部高等学術研究所. 25 (2000)
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[Publications] 重松伸司: "「経済=文化複合構造の解体と再編」、『グローバリゼーションと発展途上国-21世紀への展望-』(立命館大学・中部大学・国際地域研究所 共編)"立命館大学・中部大学・国際地域研究所. 23 (2000)
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[Publications] 弘末雅士: "「メッカ巡礼と東南アジア・ムスリム」、『海のアジア3島とひとのダイナミズム』"岩波書店. 201-230 (2001)
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[Publications] 弘末雅士: "東南アジアにおける世界秩序と地域世界:グローバリゼーション,地域統合,地域世界"アジア研究・学術フロンティア(立教大学). 23 (2000)
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[Publications] 濱下武志: "東アジア世界の地域ネットワーク"山川出版社. 236 (1999)