1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10116106
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小谷 汪之 東京都立大学, 人文学部, 教授 (00086943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 博司 東北大学, 言語文化部, 助教授 (20230427)
石井 溥 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90014513)
関根 康正 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (40108197)
麻田 豊 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70116135)
小西 正捷 立教大学, 文学部, 教授 (10161960)
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Keywords | 生活世界 / コミュナリズム / 民俗芸能 / 開発 / アイデンティティ |
Research Abstract |
1 現代インド大きな政治問題である、いわゆるコミュナリズム(宗教に基ずく対立)の原因をなす「ヒンドゥー・アイデンティティ」の形成過程を18世紀にまで遡って明かにする課題に、一歩前進することができた。 (その成果は、国立民族学博物館・地域研究企画交流センターにおける国際シンポジウムー1999年1月12〜14日)で報告され、報告集の形で出版される予定である) 2 インド・ベンガル地方に、時代の変化に対応しながら、いまなお生命力を保ち続けている、様々な民俗芸能について、現地調査に基ずく、詳細な報告が研究会で行われ、庶民の生活世界についての新しい知見が共有されるようになった。 3 現代の南アジアにおいて、急速に進んでいる開発が人々の生活にどのような影響を与えているかという問題を、シンハラ社会やバングラデシュ社会を事例として研究した。それをとうして、現在の開発が、旧来の形と大きく異なり、人々の企業人としての主体性を育成するという方向に向かいつつあることが明かにされた。しかし、シンハラ社会においても、そのような試みがかならずしも旨くいっていない現実が報告された。 4 人々の政治にかわる意識(政治意識)と歴史の記憶との間の交互作用について、インド・ナショナリズム運動を事例として研究を進め、歴史の記憶が改変されていくプロセスについて、知見を深めることができた。
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[Publications] 小谷汪之: "「南の世界」の政治主体" 『「南」から見た世界』第6巻大月書店. 刊行予定. (1999)
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[Publications] 麻田,豊: "インド亜大陸のイスラム宗教賛歌" 『アジアの音楽と文化』,ビクターエンタテインメント. 32-37 (1998)