1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10148105
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 弘 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (90275165)
岩倉 千秋 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00029183)
田中 一英 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00024232)
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Keywords | ナノ構造化 / プロチウム吸蔵合金 / グラファイト / 非晶質化 / 電池特定 / ナノ複合化 / Mg-Ni合金 / Zr-Ni-V合金 |
Research Abstract |
特定領域研究(A)「サブナノ格子物質におけるプロチウム新機能」のA03班(高密度プロチウム非平衡物質の創製)は、ナノ構造化、非晶質化、ナノ複合化をキーワードに構造・組織をナノメータースケールで制御することによって、新規な高密度水素吸蔵材を開発することを目指している。平成11年度は、様々な新物質が開発された。広島大総合科の藤井らは、これまでプロチウムをほとんど吸蔵しないと言われていた層状構造をしたグラファイト(G)を室温・水素ガス雰囲気中でメカニカル・グラインドすることによって、ナノ構造化とともにCH_<0.95>に相当する〜7.4mass%にも及ぶ多量のプロチウムを吸蔵することを明らかにした。また、MgNi_2とYNi_2系合金をメカニカル・アロイングすることによって、MgYNi_4のCuAu_5型新物質が生成することを明らかにし、溶解法によって、C15b型立法晶構造を有するMgYNi_4の単相試料の作製に成功した。このプロチウム吸放出特性を評価したところ、室温・3気圧にプラトーをもつ優れたプロチウム特性を示すことを明らかにした。大阪府立大の岩倉らは、メカニカル・アロイング法によって非晶質化したMgNi合金中のMgを、TiおよびVを置換した合金を作製し、それらの電池特性を評価し、耐久性の向上を検討した。その結果、Tiを6%-Vを4%置換した合金では、Mg(OH)_2の生成が抑えられ、耐久性が著しく改善されることを明らかにした。名工大の田中らは、液体急冷法によって、Zr-Ni-V系非晶質合金を作成し、鋳造材のプロチウム吸放出特性を比較し、プロチウム吸蔵量は非晶質化によって著しく改善されることを明らかにした。滋賀県立大の宮村らは、液体急冷法によって、V-Ti-Fe系非晶質化合金からナノ構造化合金までの様々な合金を生成し、プロチウム吸蔵特性を評価した。その結果、TiとFeの比が1:1でV濃度の低い領域で、立方晶CsCl型ナノ構造を示し、プロチウム特性も優れていることを明らかにした。
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[Publications] S.Orimo and H.Fujii: "Hydriding properties of nano-atructured Mg-x at%Ni(x=33〜50) with a different amount of amorphous MgNi"International Journal of Hydrogen Energy. 24. 933-937 (1999)
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[Publications] S.Orimo, G.Majer, H.Fujii: "Hydrogen in the mechanically prepared nano-structured graphite"Applied Phys. Lett.,. 75. 3093-3095 (1999)
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[Publications] S.Orimo, A.Zettel, H.Fujii: "Hydriding properties of the MgNi-based systems"J.Alloys and Compounds. 293-295. 437-442 (1999)
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[Publications] K.Yamamoto, H.Fujii et al.,: "Hydriding properties of the Heat-treated Mg-Ni alloys with nano structured designed multi-phase"J.Alloys and Compounds. 293-295. 546-551 (1999)
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[Publications] K.Higuchi, H.Fujii et al.,: "Hydriding-dehydriding properties of Pd/Mg thin film using a in situ system with hydrogen storage film formation and onalysis process"J.Alloys and Compounds. 293-295. 484-489 (1999)
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[Publications] 宗廣修興,藤井博信 他: "メカニカル・アロイング処理によるLaNi_5の構造/変化と水素化特性"日本金属学会誌. 63. 970-976 (1999)