1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10301009
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤井 勝 神戸大学, 文学部, 助教授 (20165343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 衞 神戸大学, 文学部, 教授 (60136398)
岩崎 信彦 神戸大学, 文学部, 教授 (20086052)
大野 道邦 神戸大学, 文学部, 教授 (20067862)
池田 太臣 神戸大学, 文化学研究科, 助手 (80301282)
油井 清光 神戸大学, 文学部, 助教授 (10200859)
|
Keywords | 産業化 / 都市化 / 過疎化 / 村おこし / コミュニティ / 生活構造 / 高齢者福祉 / 社会変動 |
Research Abstract |
前年度と同じく、基本的に4つの調査グループによって調査研究を進めた。 産業基盤的農村(姫路市)については、高齢化のインタビュー調査、子ども祭の参与観察調査、新聞資料調査、統計資料調査などを行なった。また産業化に伴って流入した大企業労働者や新住民にまで調査対象を広げつつ、地域社会の変動を調査した。その結果「企業城下町」的な展開をとらない姫路市の地域社会変動のあり方が鮮明になった。 新興住宅的農村(三田市)については、広野、小野、本庄地区といった農村地域を対象に調査を行なった。調査のテーマは、(1)農業の実態、(2)自治区・自治会の歴史と現状、(3)地域福祉の現状であった。これら地域は、ニュータウンの住民といかに共存するかを模索し、「農産物の市内消費」・「都市と結びつく農山村」をテーマに取り組みを行なっている。農村内部の問題として、住宅地ミニ開発の阻止、インフラや高齢者福祉の充実があることが明らかとなった。 農村的地域(村岡町)については、過疎・高齢化が顕著な山田区にてアンケート調査を実施した。主な調査項目は、(1)世帯員の構成・後継ぎ(とくに村を離れている場合)・墓、(2)就労状況および酒造り出稼ぎや炭焼きなどの職の変遷、(3)山林の所有・利用・管理、(4)日常の消費生活・近隣関係、村興しに関する意識などである。こうした山村が戦後日本の社会変化のなかで担ってきた役割を検証すると同時に、当地が日常の生活や地域運営にどのような問題が抱えているのか、他出した家族員など村外在住者と故郷の村との関係は今後どうなっていくのかなどのテーマについて分析を進めた。 「村おこし」については、(1)相生ペーロン祭り、(2)播磨科学公園都市、特に「大型放射光施設」とその周辺農村社会、(3)「国指定天然記念物・野島断層・北淡町震災記念公園」周辺地域について調査した。(1)では、伝統的なイベントとむすびついた村おこしの実態が、(2)では、大規模産業開発と結びつきを図りつつ進む周辺農村地域の村おこしの問題点が、(3)では、新たに造られた震災モニュメントが農村活性化に利用されるというパラドックシカルな過程が明らかになった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 池田太臣: "三田市の発展の影響と商店街の未来"三田市史研究. 2(予定). (2000)
-
[Publications] 大野道邦: "日本の社会と文化"社会学雑誌. 17(予定). (2000)
-
[Publications] 油井清光: "ローカリティとしての神戸"社会学雑誌. 17(予定). (2000)
-
[Publications] 藤井勝: "現代日本の家と家族"神戸大学文学部50周年記念論文集. (予定). (2000)