2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10301009
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤井 勝 神戸大学, 文学部, 助教授 (20165343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油井 清光 神戸大学, 文学部, 教授 (10200859)
佐々木 衛 神戸大学, 文学部, 教授 (60136398)
岩崎 信彦 神戸大学, 文学部, 教授 (20086052)
野崎 敏郎 佛教大学, 社会学部, 助教授 (40253364)
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 助教授 (00216607)
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Keywords | 兵庫県 / 農村 / 社会変動 / 混住化 / 町内会・自治会 / 文化創造 / 村おこし / 観光 |
Research Abstract |
兵庫県下の農村地域を都市近郊的農村と農村的地域の農村に区分し、前年度より引き続き、前者から2ヶ所(姫路市、三田市)、後者から1ヶ所(村岡町)を選択しその変動過程に関する調査を行うとともに、県下で実施されている農村部における新たな動きとして「村おこし」事業に関する調査を行った。以下、具体的に各調査地での調査研究活動を記す。 (1)姫路市の調査では、広畑製鉄所の建設と発展過程における農村社会の変動に関する総合的な調査を行った。具体的には、製鉄所関連資料を分析するとともに、連合自治会活動の聴き取りをおこない、またこれまでの聴き取り調査の内容を吟味した。 (2)三田市の調査では、急激な人口流入を経験した農村部における社会関係の再編成、そして新たな文化創造の可能性という点に関して、11月に農村部である4地区における52自治会を対象として、アンケート調査及び自治会会長への聞き取り調査を行うともに、班員各自が前年度において行った各地区での地域調査を継続・補足した。 (3)村岡町の調査では、村岡町山田集落での聞き取り・文書収集補足調査を8月と12月を中心に調査班員各自が行った。(1)山田における高度成長以前の林野管理・村落組織・出稼ぎ・村内婚のあり方、(2)過疎高齢地域の林野管理・高齢者生活介助・儀礼慣行継承等の問題についての住民の意識と行動について、実証的に記述するための知見を得た。 (4)兵庫県多可郡八千代町における「都市-農村交流施設」の調査をまとめ、深化した「交流」としての「滞在型市民農園」の積極的な可能性などを提示した。「北淡町震災記念公園」での調査をまとめ、消費社会の中での、観光と遺産産業、被災跡と記憶をめぐる新たな「地域おこし」の実態と可能性を示唆した。 以上の調査研究内容は、今年度にとりまとめた研究成果報告書において詳細なデータの提示とともに論じられた。また今年度は報告書作成に専念したが、次年度以降は研究成果が雑誌論文などの形で順次発表されていく予定である。
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