2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10301020
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
松浦 宥一郎 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 学芸部, 首席研究員 (00165763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永嶋 正春 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (50164421)
増沢 文武 元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 名誉研究員 (90072793)
田辺 征夫 奈良文化財研究所, 藤原宮跡発掘調査部, 部長 (50000493)
犬木 努 大谷女子大学, 文学部, 助教授 (40270417)
高浜 秀 金沢大学, 文学部, 教授 (60000353)
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Keywords | 繊維製品 / 絹織物 / 編布 / 織布 / 綾 / 錦 / 羅 / 中性子ラジオグラフィ |
Research Abstract |
今年度は、最終年度にあたるため、資料集成及び基礎的研究の成果を報告書(冊子「資料篇」と「報告篇」の2分冊)としてまとめ、公表することを最重点においた。 まず、そのために昨年度に引き続き、日本の原始・古代遺跡出土の繊維製品の時代別・地域的集成の全国的集成完了を目指した。その結果、閲覧可能な2001年度刊行までの発掘調査報告書においてはほぼ終了し、「資料篇」の刊行の運びとなった。今年度は特に関東地方から北海道までを行い、また併せて昨年度まで実施した関東地方以西の集成の補遺を行い、22,000冊余りの発掘調査報告書により、繊維製品の出土例、その保存状態、材質や織りの種類、技法等の必要な事項にっいて検索し、資料カードに記述して、資料台帳の作成を行い、データベース化を行った。最終的に、繊維製品・編物・布痕土器・紡織具等を含めて、約5,400件に及ぶことが判明した。 このような全国的に網羅した資料集成は考古学的には初めてであり、今後の学術研究の大きな基礎を築いたことはきわめて重要な成果とみなすことができる。また「報告篇」によって、資料集成に基づいて、それらの内容を分析・綜括した点で今後の研究に大きな示唆を与えるものと思われる。 なお、今年度における資料の現地調査は、資料を集中的に収蔵しているため毎年度継続的に実施してきた宮崎県埋蔵文化財センターのみに限って行い、当該機関内での調査は一応終了させることができた。 また、研究発表会は、研究分担者、研究協力者により、報告書(冊子)作成の打合せを兼ね、計4回行った。 今後はさらに資料集成を進めつつ、繊維製品の分析、および織の技法を含めた、より発展的な研究が望まれる。
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