1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60112538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 慎一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00227141)
浅香 修治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00167876)
渡辺 雅之 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20240525)
有本 収 岡山大学, 理学部, 助教授 (70193092)
伊藤 寛 香川大学, 工学部, 教授 (60112249)
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Keywords | 放射光 / レーザー同期 / 内殻分光 / 真空紫外光 / レーザー誘起 / ポンプ-プローブ / BaF_2 / GaAs |
Research Abstract |
本研究は、3つの研究課題(放射光とレーザーの同期励起による内殻分光法の確立、放射光ポンプ+レーザープローブ分光による内殻励起に伴う緩和状態や中間励起状態の解明、レーザーが作用した状態の内殻プローブ分光による光相転移などの内殻電子状態や局所構造の解明)を遂行することを目的としており、平成11年度は既存の装置を用いて放射光とレーザーの同期実験を行う一方で、新しい研究展開のための設備備品の購入と整備を行った。 第一の課題については、オージェフリー発光を生じる典型的な物質であり、シンチレーターへの応用や内殻高密度励起状態での誘導放射や多重励起状態の短寿命化、内殻励起状態の格子緩和などを示す大変興味深い物質であるBaF2および光学材料として有用なCaF2について、レーザーと放射光の同期による2光子励起発光実験を行った。その結果、緩和励起子発光の価電子励起および内殻励起の信号を捉えることが出来た。これらについては、昨秋の物理学会および今年1月の放射光学会で報告した。 第二の課題については、半導体および絶縁体表面上での内殻励起による脱離実験を進行中で、昨夏に真空紫外線物理国際会議で結果の一部を発表した。 第三の課題については、GaAs結晶におけるレーザー誘起光電子分光実験を遂行中で、今年1月の放射光学会で結果の一部を報告した。さらに、3つの研究課題についての進捗状況を放射光学会誌に発表した。 また、新たなる研究展開のために、コヒレント社の再生増幅器、パラメトリック増幅器ならびに励起用アルゴンレーザーを購入整備し、既存のビームラインとレーザーを組み合わせた同期実験システムを超高速仕様にグレードアップした。これによって放射光と同期したレーザーシステムが完成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Asaka,et al.: "Time-gated photon counting method for two-photon spectroscopy using synchrotron radiation and laser" Rev.Sci.Instr.69巻5号. 1931-1933 (1998)
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[Publications] O.Arimoto,et al.: "Combinational Use of Synchrotron Radiation and Laser for Two-Photon Spectroscopy of BaF2" J.Electron Spectroscopy and Related Phenomena. 72巻. 219-223 (1998)
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[Publications] M.Kamada,et al.: "Combined systems of SR and Laser for solid-state researches" J.Synchrotron Radiation. 5巻. 1035-1037 (1998)