2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10304025
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Research Institution | Okazaki National Institutes |
Principal Investigator |
鎌田 雅夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60112538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和敏 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30332183)
辻林 徹 大阪歯科大学, 講師 (50214771)
伊藤 稔 信州大学, 工学部, 教授 (80126664)
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Keywords | 放射光 / パルス光 / レーザー同期実験 / 内殻分光 / 2光子 / 時間分解光電子分光 / 内殻励起子 / 光誘起現象 |
Research Abstract |
BaF_2は、オージェフリー発光を生じる典型的な物質であり、シンチレーターへの応用から注目されている物質である。また、内殻高密度励起状態での誘導放射や多重励起状態の短寿命化、内殻励起状態の格子緩和などを示す大変興味深い物質である。そこで、価電子帯からの2光子実験を完成させるとともに、内殻励起エネルギー領域における2光子実験を行い、高い励起エネルギー領域における励起状態や中間状態ならびにエネルギー緩和を調べた。その結果、緩和励起子発光の2光子励起実験では、束縛励起子準位による共鳴増大が観測され、可視領域での2光子過程とは異なる過程が支配的であることが分かった。また、オージェフリー発光の2光子励起実験の結果では、期待されたBa-5p内殻励起子ピークでは発光が観測されず、より高エネルギー領域における強度増大が得られた。また、緩和励起子の発光強度が50%近く増大するという興味ある結果が得られた。これらは、内殻励起子を含む高エネルギー励起状態では、種々の中間状態や緩和状態からのカスケード過程が生じていることを示唆している。 また、2光子励起蛍光法に加えて、2光子反射法の開発研究を行った。レーザー励起に同期した信号に比べて、バックグランド信号が何桁も大きいので、ロックイン検出を用いた。その結果GaAs,ZnSeなどについて興味ある結果をえることが出来、現在電場効果との関連で解析を進行中である。 さらに、レーザー光誘起現象を放射光利用の内殻光電子分光法で測定した。負の電子親和力表面として興味が持たれるGaAs系の表面光起電力効果を調べ、バンドの曲がりやホットな電子励起状態のダイナミックスに関して有意義な結果が得られた。また、スピンクロスオーバー錯体について、光誘起相が通常の熱相転移相とは異なる電子状態であることなどが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Tsujibayashi 他: "Two-photon excitation spectra of exciton luminescence in BaF_2 obtained by using synchrotron radiation and laser"J.Luminescence. 87-89. 254-256 (2000)
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[Publications] M.Kamada 他: "Photo-induced change in semiconductor-vacuum interface of p-GaAs (100) studied by photoelectron spectroscopy"Surface Science. 454-456. 525-528 (2000)
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[Publications] S.More 他: "Coadsorption of Cs and O on GaAs : Formation of negative electron affinity surfaces at different temperatures"Surface Science. 454-456. 161-165 (2000)
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[Publications] M.Kamada 他: "Beam-line systems for pump-probe photoelectron spectroscopy using SR and laser"Nucl.Instrum.Methods. (印刷中). (2001)
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[Publications] S.Asaka 他: "Optical detection system using time structure of UVSOR for combined laser-SR experiments"Nucl.Instrum.Methods. (印刷中). (2001)
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[Publications] S.Asaka 他: "Ultraviolet light amplification within a nanometer-sized layer"Phys.Rev.B. 63. 81104-81107 (2001)