世界の文化財の保存-わが国による国際協力体制構築のための調査・研究

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10308003
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo
• Principal Investigator: 宮本 長二郎 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (60261252)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 工楽 善通 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (00000472) ; 松本 健 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (00103672) ; 朽津 信明 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, 研究員 (50234456) ; 松本 修自 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (80099960) ; 西浦 忠輝 東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, 室長 (20099922)
• Keywords: 文化財 / 文化遺産 / 保存修復 / 国際協力

Research Abstract

1. 文化財保存修復国際協力事業に積極的に携わっている日本国内の専門家,技術者による「国際文化財保存修復研究会」を,平成10年9月,平成11年2月の2回実施した。研究会は事業の事例紹介と,発表に関する質疑応答・討議という形で進められ,技術的問題にとどまらない運営上,財政上の問題を含めた総合的な議論が行われた。なお,研究会における報告・討議内容をまとめた「国際文化財保存修復研究報告書」を刊行した。
2. アジア各国の文化財保存の専門家と文化財保存の国際機関の代表者を招いて平成11年2月に奈良で開催された「第8回アジア文化財保存セミナー-アジア地域の世界文化遺産・考古遺跡の活用しながらの保存-」において,アジア9ケ国と3つの国際機関からの参加者と遺跡の保存および保存のための活用のありかたについて調査,討議を行った。来年度以降,報告書を発行する予定である。
3. 文化財保存修復に携わる専門家・技術者について,Microsoft Accessによるデータベースを作成し,検索を可能にした。また,日本の専門家が行った文化財保存修復国際協力事業に関するデータを収集するとともに,地理情報システムを利用したデータベースを構築するために,ソフトウェア・ハードウェア環境を整備した。
4. タイ,カンボジア,パキスタンにおいて,文化財保存修復事業についての現状や問題点のレビューを行った。
本年度は研究の第1年目であり,研究環境の整備に多くの費用と時間が費やされた。本年度に整備した環境を利用して来年度以降,よりいっそう具体的な成果を上げる予定である。