1998 Fiscal Year Annual Research Report
サハリン大陸棚石油・天然ガス開発にともなう「開発と環境」に関する学際的研究
Project/Area Number |
10309002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 隆 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20261357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (30001209)
中尾 繁 北海道大学, 水産学部, 教授 (40002092)
井上 紘一 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10091414)
畠山 武道 北海道大学, 法学部, 教授 (40062666)
青田 昌秋 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40001664)
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Keywords | ロシア / サハリン / 海洋開発 / 石油・ガス開発 / 環境 / 海洋汚染 / 地域研究 / 原油流出 |
Research Abstract |
平成10年度には、北海道とロシア・サハリン州が共有するオホーツク海でどのようなせ石油、天然ガス開発が始まろうとしているのか基礎的な調査を行い、「開発と環境」の問題を道民に啓発することを目的とした。そのために合計5回の研究会を実施し、研究チームのみならず、海上保安庁小樽本部、北海道経済連合会、北海道庁、マスコミ、NGOにも門戸を開き、開かれた研究会を目指した。これらの研究会で報告、議論されたことは、サハリン大陸棚の石油、天然ガス開発状況、ロシア連邦の環境政策、サハリン現地調査報告等である。 また、オホーツク沿岸住民にとって航行するタンカーからの原油流出事故の想定は現実的な問題であり、本研究チームは平成11年1月末に北海道・紋別市において市民セミナーを開催した。オホーツク沿岸の地方自治体、海上保安庁、漁業者、建設業界、一般市民合計85名が参加し、パネラーとなった分担者の見解に耳を傾けた。石油開発が現実のものになるに伴い、北海道も「緊急防災計画」を作成する必要があるが、コンセンサスを得られていないのが現実である。1999年7月から週1度の頻度で海象条件の厳しいオホーツク海を原油タンカーが航行することになり、日ロ政府間および北海道・サハリン州間で事故防止の協力関係の構築が急がれている。本研究がしばしばマスコミに取り上げられ、道民への啓発に努めたことによって危機管理体制の必要性が次第に浸透してきている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 村上 隆: "ロシアの中央と地方との関係-沿海地方およびサハリン州のエネルギー部門のケース-" ロシア・CIS諸国における市場経済化の進展と実体経済-その中での中央と地方. 56-66 (1998)
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[Publications] 畠山 武道: "環境影響評価と都市計画" 判例タイムズ. 962. 37-41 (1998)
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[Publications] AOTA,Masaaki: "Long-term Tendencies of Sea Ice Concentration and Air Temperature in the Okhotsk Sea Coast of Hokkaido" PICES Scientific Report : The second PICES Workshop on the Okhotsk Sea and Adjacent Areas. (1999)
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[Publications] 中尾 繁・生田依子: "界面活性剤がエゾバフンウニの受精および初期発生におよぼす影響" 水産増殖. (1999)
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[Publications] 佐伯 浩 ほか: "サハリン沖石油・天然ガス開発が北海道オホーツク湾沿岸に及ぼす環境・経済インパクト" 海洋開発論文集. 14. 465-470 (1998)
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[Publications] 井上 紘一: "F.Boas and an Unfinished Jesup on the Sakhalin Island : Shedding New Light on B.Laufer and B.Pilsudski" Constructing Cultures then and Now (American Museum of Natural History : New York). (1999)