2000 Fiscal Year Annual Research Report
位相空間回転による2次粒子ビームの高輝度高品質化の研究
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10309009
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Research Institution | HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION |
Principal Investigator |
町田 慎二 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (30181671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明 高エネルギー加速器研究機構, 共同研究施設, 教授 (30113418)
森 義治 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (30124176)
久野 良孝 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30170020)
石田 勝彦 理化学研究所, ミュオン科学研究室, 先任研究員 (70176189)
笹尾 登 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)
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Keywords | PRISM / 位相空間回転 / 超伝導磁石 / 高周波加速空胴 / NbTi / Nb_3Sn / 直冷型小型冷凍器 |
Research Abstract |
本年度は、位相空間回転を行う高周波加速空胴に求められる、高電場勾配を実現させるフェライトコアについて測定を行った。測定に使用したフェライトコアは、コア材そのものの特性を調べるためのサンプルとしての小さなトロイダルコアと高周波空胴評価用実サイズのフェライトコアのブロックの2種類である。サンプルコアと実サイズコアの特性は、測定結果からは、15MHz以下の特性に関しては、おおむね同じような傾向を示している。それぞれのコアを測定された「μQf値」に関して比較すると、3MHz位までは、周波数とともに「μQf値」が大きく上昇する傾向がみられる。両コア共に、5MHz以上でも、「μQf値」は10の10乗台を維持しているが、実サイズコアにおいては、やや低下傾向がみられた。また、両方のコアの測定から、SY-25コアにおいては、10MHz以下での損失抵抗分が非常に小さく、10MHz以上では、急速に損失抵抗が増大していることがわかった。ほぼ10MHzを境に特性に大きな差があり、高いシャント抵抗は2〜8MHzの限定した範囲でのみ得られる。これに対して、10MHz以上では、Q値が10以下となって、サンプルコアでは、15MHz以上のシャント抵抗Rpは、ほぼ80Ωで一定であり、実サイズコアでは、20MHz付近で並列共振がみられ、共振点近傍では、約500Ωのシャント抵抗Rpを示している。これらの測定結果から、2〜8MHzの範囲で、低損失でかつ、高シャント抵抗の特性が得られることがわかり、高勾配加速空胴実現の目処がついたと言える。
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