2001 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素リサイクルによる環境保全およびエネルギー供給のための新機能材料の開発
Project/Area Number |
10355027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋村 和郎 三井造船, つくば研究センター, 主任研究員
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
熊谷 直和 大機エンジニアリング, 研究開発部, 部長(研究職)
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Keywords | 二酸化炭素リサイクル / 地球温暖化 / 海水電解 / 水素発生電極 / 合金電極 / ニッケル鉄電極 / 鉄炭素電極 / ニッケル鉄炭素電極 |
Research Abstract |
昨年度は海水電解水素発生電極に関し、電着法によりNi-Fe合金電極、Ni-C電極およびNi-Fe-C電極を種々の条件下で作製し、特性と組成、構造、作製条件などの関係を特性を中心に詳細に調べた。本年はその機構等を含めて特性を解明すべく、さらに解析を進めた。ニッケルより鉄が水素発生に活性であり、Ni-Fe合金はさらに活性であるが、いずれも同じTafel勾配を示し、プロトンの放電が律速反応であった。鉄への炭素の添加は水素発生を著しく加速するが、電解停止時には高温濃厚NaOH溶液中中で腐食されるため、電極としては使えない。これに対し、fccナノ結晶単相からなるNi-Fe-C三元合金は、異常に高い水素発生能を備え、プロトンの放電が著しく速く、水素の脱離が律速反応になった。XPSによって測定した合金構成元素の電子状態は、Ni-Fe合金中では、Ni 2p_<3/2>電子の結合エネルギーは増大し、反対にFe 2p_<3/2>電子の結合エネルギーは減少しており、合金形成によってニッケルから鉄に電荷移動が起こっていることを示した。Ni-Fe-C合金中では、ニッケルから鉄への電荷移動が、さらに促進されている。ニッケルから鉄に電荷移動が起こると、プロトンの放電は加速され、もはやプロトンの放電は律速反応ではなくなり、プロトンの放電で生じた吸着水素の脱離が、律速反応になる。この電極について、50000A・m^<-2>の高電流密度で加速電解試験を行った結果、実際のソーダ電解において、2年以上水素過電圧はほとんど変わらないこと、高温濃厚NaOH溶液中で電解を停止して数日間の自然浸漬を繰り返しても水素発生過電圧は変化せず、鉄の溶解も見られないことが判明した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 橋本功二, 他: "太陽エネルギーと海水電解を利用するグローバル二酸化炭素リサイクル"海洋開発ニュース. 28[6]. 3-8 (2000)
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[Publications] S.Meguro, 他: "Electrodeposited Ni-Fe-C Cathodes for Hydrogen Evolution"J Electrochem. Soc.. 147[8]. 3003-3009 (2000)
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[Publications] M.Yamasaki, 他: "Oxidation Behavior of Amorphous Ni-Zr and Ni-Zr-Sm Alloys"J Electrochem. Soc.. 147[12]. 4502-4506 (2000)
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[Publications] 橋本功二, 他: "グローバル二酸化炭素リサイクル"表面技術. 52[2]. 195-200 (2001)
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[Publications] 橋本功二, 他: "CO2リサイクルプラント用電極及び触媒の創製"まてりあ. 40[4]. 372-375 (2001)
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[Publications] K.Asami, 他: "Effects of Nanoscale Heterogeneity on the Corrosion Behavior of Non-Equilibrium Alloys"Scripta Mater. 44. 1655-1658 (2001)
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[Publications] H.Habazaki, 他: "Nanocrystalline Manganese-Molybdenum-Tungsten Oxide Anodes for Oxygen Evolution in Seawater Electrlysis"Scripta Mater. 44. 1659-1662 (2001)
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[Publications] K.Asami, 他: "Roles of Temperature and Humidity in the Oxidation of Sputter-deposited Cu-Ta Alloys in Air"Corros. Sci.. 44[2]. 331-344 (2002)
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[Publications] K.Hashimoto, 他: "Materials for Global Carbon Dioxide Recycling"Corros. Sci.. 44[2]. 371-386 (2002)