2000 Fiscal Year Annual Research Report
繊維強化型審美性矯正用ワイヤーの臨床応用のための材料特性の改良と生体安全性の評価
Project/Area Number |
10357019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (00250465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亘理 文夫 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70158682)
山本 隆昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (40230560)
山方 秀一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (70292034)
小林 雅博 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (20083868)
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Keywords | 歯科矯正用ワイヤー / 複合材料 / 審美性歯科材料 / 繊維強化型プラスチック(FRP) / 生体材料 / CPSAガラス繊維 / 機械的特性 / 摩擦特性 |
Research Abstract |
今年度の当該研究の主な成果は次の通りであった。1.繊維強化プラスチック型審美性矯正用ワイヤー(FRPワイヤー)のブラケット辺縁における破壊に対する安全性の向上を目的とした改良型ブラケットを用いて乾燥条件下での片持ちばり曲げ破壊試験および湿潤条件下での1.5mmまでの片持ちばりヒステリシス試験を行ったところ、従来型に対して限界たわみ量で約1.4倍、除荷時荷重値/負荷時荷重値(荷重維持率)で約1.9倍に増加することがわかった。2.FRPワイヤーとブラケット底面との素材肌面間の摩擦特性を調べるために一面接触型懸垂式摩擦試験機を試作し、摩擦試験を行ったところ、FRPワイヤー-ブラケット間の静摩擦係数はステンレス製ブラケットの場合に0.1程度で最小となり、また多結晶セラミック製ブラケットの場合に0.3から0.4程度で最大となることがわかった。3.ワイヤーとブラケットとの臨床上の実際的な接触様式を導入した二面接触型懸垂式摩擦試験機のプロトタイプの試作に成功した。4.トリエチレングリコールジメタクリレートで希釈した2官能基のウレタンジメタクリレートおよび6官能基のウレタンモノマーに光官能剤としてカンファーキノンを、さらに後者には還元剤としてN-フェニルグリシンを調合し、光重合成形法によってFRPワイヤーを作製した。これらの全光線透過率は400から700μmであり、PMMA/FRPワイヤーの場合とほぼ同等であることがわかった。また、乾燥条件下での弾性率および曲げ強さ、限界たわみ量はPMMA/FRPワイヤーとほぼ同等であり、人工唾液に30日間浸漬した後の保持率も99%および70%、80%とPMMA/FRPワイヤーで得られた傾向に近似することがわかった。5.熱重合成形法へのAWG未収縮チューブを導入した結果、直径を0.35mmまで細化したアーチワイヤーを作製することが可能となった。ただし、成形性や寸法精度では光重合成形法に劣ることがわかった。
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Research Products
(1 results)