1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10410010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 康邦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80012508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 勉 法政大学, 文学部, 教授 (90114636)
湯浅 弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (10230608)
関根 清三 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90179341)
山田 忠彰 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (10220386)
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Keywords | 生命 / ホッブス / 死生観 / 教父哲学 / 現象学 / ヘーゲル |
Research Abstract |
本年度の研究課題は、 (1)各分科会で西洋思想史上における生命概念の系譜と本質に関する個別研究を進めること。 (2)各分科会の研究成果を全体研究会で総合的に検討すること。 以上二点であったが、具体的な研究成果としては次のようなものが挙げられる。 (あ)研究分担者の森下(現代科学思想分科会)が、生命倫理における具体的な諸問題を取り上げ、生命倫理上の諸問題に関して死生観の変遷という観点から考察した。その結果、人文科学的な視点に立った生命思想の必要性があらためて確認された。 (い)研究分担者の星野(近世哲学分科会)が、ホッブスの機械論的人間観を取り上げ、近代科学において支配的であった機械論の批判的展望を試みた。 (う)研究協力者の三宅(現代科学思想分科会)が、現象学の身体論に言語論的視角から考察を加え、現象学における科学批判的契機に新たな照明を当てた。 (え)研究協力者の谷(古代思想分科会)が、中性の教父哲学の生命思想というこれまで問題にされることの稀であった主題を取り上げ、西洋思想史における生命論と宗教論との接点に関する斬新なアプローチを試みた。 (お)研究協力者の下城(ドイツ観念論分科会)が、ヘーゲルの有機体論を取り上げ、上記谷の研究と相通じるような生命概念をヘーゲル哲学に見出した。これは、思想史的な視角から生命概念の変遷を捉えようとする本プロジェクトにおいて有益な収穫であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤 康邦: "和辻哲郎における現象学の位置"現象学年報. 15. 111-126 (1999)
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[Publications] 佐藤 康邦: "西洋の呪縛"日本倫理学会大会報告集. 36-42 (1999)
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[Publications] 関根 清三: "愛児の献供"婦人之友. 1月号. 62-65 (1999)
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[Publications] 関根 清三: "イスラエル学から古典学への期待"古典学の再構築. 3号. 60-62 (1999)
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[Publications] 熊野 純彦: "レヴィナス"岩波書店. 1〜291 (1999)
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[Publications] 熊野 純彦: "レヴィナス入門"筑摩書房. 1〜221 (1999)