1999 Fiscal Year Annual Research Report
信号処理と記号系活動の成立・崩壊機序 -制限下で主体の働きかけはどのようにかかわるか?-
Project/Area Number |
10410025
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
深田 芳郎 帝京大学, 文学部, 教授 (50199163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 英司 帝京大学, 文学部, 助教授 (30217997)
藤崎 春代 帝京大学, 文学部, 助教授 (00199308)
山本 豊 帝京平成短期大学, 福祉学科, 教授 (40134423)
伊藤 忠弘 帝京大学, 文学部, 講師 (90276759)
中沢 仁 専修大学, 文学部, 講師 (60246006)
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Keywords | 信号処理・崩壊 / 図形認知 / 語音認知 / 情報処理行動 / 時間分解能 |
Research Abstract |
本研究では,筆者らの先行研究「信号/記号の処理・産出行動の成立と崩壊-主体の働きかけがどのように情報を作り上げるか?-」に加えて,以下の実験を通して信号刺激処理と記号系活動の成立・崩壊の機序についての当面の結論を得ることによって,試論的な信号/記号系の処理過程を明らかにしようとした. (1)健常成人を被験対象として,主体の側の喚起レベルないしは情動の変化が,情報の取り込みや検索に対してどのように影響するかを,種々の条件下で検討し,一種の制限条件下において,健常成人の記号系活動に種々の変動が生じることが示された. (2)この場合,健常成人が,具体的な日常生活の場面において,日常の事象系列の流れをどのように認知し,それに対応して事象系列をどのように体制化しているかを,大学生を被験対象として検討を行ない,主体の側の事象系列に対する記号系活動によって,一般的出来事表象としての体制化に差異のあることが見出された. (3)さらに,幼児の事象系列に対する記号系活動を検討するため,彼らが多様性をどのように認知しているかの検討を行ない,幼児でも一般的出来事表象の体制化が可能であること,ただし幼児の特徴として多様性の表象には制限があり,記号系活動の限界が示された. (4)健常成人を被験対象として,ディスプレイ上に図形の一部だけがポインタの位置に対応して移動する「窓」を通して見ることができる視野制限状況を設定し,能動的に「窓」を動かして図形を走査・探索することにより,図形を再生・再認する課題下での走査・検索過程を分析した. (5)主体の側の制限条件の1つとして,先行研究に引き続き,中枢性の語音認知障害をもつ脳損傷者を被験対象として取り上げ,言語音および非言語音を用いて,聞き取りの実験と音節照合課題の実験を行ない,脳損傷によって,系列処理の記号系活動に障害が生じていることが明らかとなった.
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 藤崎春代: "幼児は園生活の多様性をどのようにとらえているのか:一般的出来事表象の形成と出来事の多様性"発達心理学研究. 9. 221-231 (1998)
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[Publications] 藤崎春代: "大学生は日々の生活の流れをどのようにとらえているのか"帝京大学文学部紀要(心理学). 5. 29-49 (1999)
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[Publications] 中越佐智子: "語音認知過程の崩壊機序:音節照合課題についての検討(2)"日本心理学会第62回大会発表論文集. 134 (1998)
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[Publications] 中越佐智子: "中枢性語音認知障害事例の系列処理"日本音響学会聴覚研究会資料 H-98-42. (1998)
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[Publications] 相良陽一郎: "エモーショナルストレスが目撃証言に及ぼす効果(7):背景情報の記憶に対する保持期間の影響について"日本心理学会第62回大会発表論文集. 816 (1998)
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[Publications] Yoichiro Sagara: "The effects of emotional arousal upon remembering events"The proceedings of Tsukuba International Conference on Memory. 20 (1998)
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[Publications] Yoichiro Sagara: "The change of mental representation in text comprehension"Bulletin of Department of Psychology,Teikyo University. 5. 71-81 (1999)
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[Publications] 相良陽一郎: "エモーショナルストレスが目撃証言に及ぼす効果(8):ストレス喚起による記憶の促進効果について"日本心理学会第63回大会発表論文集. 576 (1999)
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[Publications] Yoichiro Sagara: "The effect of misleading information in the emotionally stressful situations"The proceedings of the 2nd International Conference on Cognitive Science and the 16th Annual Meeting of the Japanese Cognitive Science Society Joint Conference. 697-700 (1999)