2000 Fiscal Year Annual Research Report
外国人労働者の流入に伴う地域社会構造の変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
10410039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小内 透 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80177253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 助教授 (80202000)
酒井 恵真 札幌学院大学, 人文学院, 教授 (80073493)
浅川 和幸 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (30250400)
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Keywords | 日系ブラジル人 / 外国人児童・生徒 / 外国人教育 |
Research Abstract |
1.4カ年計画の第3年度に当たる本年は、日系ブラジル人を中心とする外国人が集住する群馬県大泉町を対象として、外国人の子弟の教育問題に関する調査研究を行った。具体的には、(1)公立小中学校へ通う外国人児童・生徒と両親、(2)日本人児童・生徒と両親、(3)外国人児童・生徒の多い公立小中学校の教師・日本語指導助手に対する配布アンケート調査および面接調査を実施した。 2.その結果、日本人の子どもたちは比較的自然体で外国人の子どもに接し、とくに小学校では積極的な交流がみられること、日本人の親もその現実を積極的に受け止めていること、ただしそれは外国人の大人に対する評価と対応しておらず、むしろ「恐く」て「ルールを守らない」大人の外国人と彼らに無理やり連れてこられた「かわいそうな」外国人の子どもという見方を形成していることがわかった。 3.こうした見方は教育関係者にも共通しており、外国人は学校を託児所代わりにし、教育に無関心であるという見方をする教師や日本語指導助手が多かった。しかし、子どもを公立小中学校に通わせている外国人の親は、むしろ日本の学校に通わせることを将来の子どもの進路を考慮した教育戦略として積極的に位置づけていた。たとえ、将来本国に帰ったとしても、日本の学校で学ぶことは、ビジネスや職業を国際的な視点から選択する上で有効であると考えていた。 4.だが、公立小中学校に通わない外国人の子どもたちも増加している。そのため、1999年にはブラジル人学校ができた。ただ、授業料の高さのため、ブラジル人学校へも通わない子どもも増加している。彼らは、「非行」予備軍として地域住民から懸念されており、現在、彼らの存在はこの地域の最大の課題になっている。
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