1999 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀に向けた子どもの発達環境に関する総合的研究
Project/Area Number |
10410069
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土屋 基規 神戸大学, 発達科学部, 教授 (10093519)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 肇 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80030592)
小田 利勝 神戸大学, 発達科学部, 教授 (90124536)
清水 民子 神戸大学, 発達科学部, 教授 (40046470)
五味 克久 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (50144556)
末本 誠 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80162840)
|
Keywords | 発達環境 / 発達と教育 / 心の教育 / 人間形成 / 中等教育の接続 / 教育制度 |
Research Abstract |
1.本科研の研究活動の一環として、第2,第3回発達科学シンポジウム(1998.5.9,1998.11.25)における子どもの発達環境に関する報告と討議を基礎にして、環境要素としての自然、社会、所属集団の機能など、神戸連続児童殺傷事件の提起する現代の学校教育の体質、子どもへの心理的影響など、普遍的な発達環境の問題についての基本的な考察を行うとともに、日本の少子化と中国の一人っ子政策による発達環境と教育の課題について比較研究し、社会環境の変化と教育文化への影響などにつき、研究協議を行った。 2.子どもの発達環境の要因である、学校教師による生活指導のあり方を明らかにするために、体育教師の生徒の問題行動に関する認識と教育観についての調査、音楽教師の指導意識、障害のない子のある子どものとらえ方についての調査を実施し、子どもの荒れの状況、震災後の一時期問題行動が減少したことなどの実態から、教師たちが「生きる力」「心の教育」「道徳教育」「人間形成」などを求めていることが分った。 3.子どもの成長・発達と地域の関係について、丹後町と沖縄の地域調査を実施し、そこから自然や地域が発達環境として生命、生存、発達の場として機能することで、子どもを育てる力を有すること、労働や遊びを含め生活の全体性の回復が重要であることが分った。 4.子どもの発達環境としての教育制度の現状と改革の課題を究明するために、中学校から高等学校への中等教育の接続の問題を、兵庫県下の学校を対象にして調査を実施し中間報告書をまとめた。この中で、保護者の高学歴志向と高校入試制度のあり方が、地域差を含めて心理的影響を与えている状況が分った。
|
-
[Publications] 清水民子: "子どものことを親とわかりあう"季刊・保育問題研究. 178号. 8-15 (1999)
-
[Publications] 小田勝利: "子どもの発達環境再考"人間科学研究. 7・1. 1-21 (1999)
-
[Publications] 岸本肇: "体育教師における姓との問題行動認識と教育観"人間科学研究. 7・1. 23-30 (1999)
-
[Publications] 五味克久: "音楽教師における指導者の認識について"児童発達研究. 第2号. 1-20 (1999)
-
[Publications] 土屋基規: "高校入試制度および通学区制度の社会的心理的影響に関する調査研究"(印刷中). (2000)
-
[Publications] 末本誠: "地域とたまり場の再生"10年たってもこの町で-丹後町と沖縄を結ぶもの. (印刷中). (2000)
-
[Publications] 清水民子: "世界の社会福祉(6) デンマーク・ノルウェー"旬報社. 530 (1999)