国文学における寺院蔵書の利用促進のための奥書集成を含む正教蔵文庫の総合的研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10410099
• Research Institution: National Institute of Japanese Literature
• Principal Investigator: 落合 博志 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (50224259)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 安部 泰郎 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 教授 (60193009) ; 中野 真麻理 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (50280532) ; 伊藤 正義 神戸女子大学, 文学部, 教授 (70046895) ; 廣田 哲通 大阪女子大学, 学芸学部, 教授 (00094459) ; 田中 貴子 京都精華大学, 人文学部, 助教授 (50207106)
• Keywords: 文庫 / 仏書 / 写本 / 版本 / 奥書 / 識語 / 刊記 / 天台宗

Research Abstract

今年度は、本研究の目標である『正教蔵奥書識語集成』の完成に向けた具体的な作業の一環として、平成12年8月3日〜6日、正教蔵文庫(大津市西教寺内)において現地調査を実施した。研究分担者・研究協力者計24名の参加により、浄土箱・経箱・七箇箱・法華疏箱・見聞箱・真言箱・義科箱・雑々箱を対象に約750点のカードを採取、これにより科研費交付以前の平成4年から進めてきた正教蔵文庫本の原本調査をひとまず終り、本研究の基礎となる奥書・識語を中心とする書誌データ収集作業は一応完了を見た。
引き続き、遅れていた平成11年度採取分約500点のデータ入力準備に入り、アルバイトの助力も得つつ必要な加筆・修正および記載法の統一等を施した後、平成13年1月に入稿した(2月末に業者から納品)。これで一昨年度・昨年度の分と合せ、全体の三分の二まで入力を終えたことになる。
なお、当初の計画では今年度中にそのデータ校正を行う予定であったが、入力が遅れた関係で日程の調整が困難になったため、来年度に回すことに変更した。現在の所、平成13年8月頃に原本の再確認を兼ねて西教寺において校正作業を行う形を考えている。
一方、他所所蔵本との比較研究として平成12年12月に日光市の輪王寺天海蔵に出張、正教蔵文庫本と関わる資料の調査と奥書等のデータ収集を行った。
また、今年度は『大蔵会展観目録』『昭和現存天台書籍綜合目録』『天台宗典目録』など既刊の目録類からの正教蔵文庫関連データの抽出作業も開始、最終年度である来年度のまとめに備えた。

Research Products

• [Publications] 落合博志,中野真麻理: "願教寺蔵主要資料紹介"調査研究報告. 21号. 343-450 (2000)
• [Publications] 中野真麻理: "稲荷新左衛門のこと"国文学研究資料館紀要. 27号. 199-228 (2001)