1999 Fiscal Year Annual Research Report
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10410113
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
鵜月 裕典 立教大学, 文学部, 教授 (00203563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千石 英世 立教大学, 文学部, 教授 (70094274)
小林 憲二 立教大学, 文学部, 教授 (90092056)
阿部 珠理 立教大学, 社会学部, 教授 (50184213)
渡辺 信二 立教大学, 文学部, 教授 (00114025)
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Keywords | 多文化主義 / 人種 / 民族性 / プロパガンダ映画 / アメリカ研究 / アジア系アメリカ人 / ポリティクス / ジェンダー |
Research Abstract |
多文化主義の観点から、アメリカの文化表象に現れた諸問題を概観、整理するとともに、具体的に議論、検証するという目的のもと、映像の領域を中心に研究会等を通して当初の目的の達成につとめた。 年度前期は学内の研究者間で研究課題めぐる議論を重ねながら問題点を整理、年度後期は前期の議論をふまえ招連続研究会を企画・立案、年度末には外部から講師を招聘し、講座形式で「アメリカと映像のポリティクス」と題する中規模の連続研究会(3回)を行った。 まず、UCLA映画・テレビ学博士の斉藤綾子氏を講師とする研究会「ヒッチコックとアメリカ」では、人種や民族性といった問題を直接的には扱っていない映画作家の作品群をテクストに、多文化主義的な観点からの解釈の有効性を、アメリカにおける映画理論の流れをふまえて、検討・議論した。 次に、日系アメリカ人二世で、UCLA歴史学教授のユウジ・イチオカ氏を講師とする研究会「日米開戦前夜の反日プロパガンダ」では、太平洋戦争時に製作されたプロパガンダ映画をテクストに、大衆的な文化表象である映画と政治の関係性を人種、民族性、歴史の観点から検討・議論した。 最後に、アメリカ研究を専門とする矢口祐人氏を講師とする研究会「『ピクチャーブライド』のポリティクス」では、アジア系アメリカ人女性監督による作品をテクストに、歴史的背景、製作過程、観客性等の問題を、歴史、人種、ジェンダーの関係性において検討・議論した。 研究会を通し、学外の研究者との交流を深めるとともに、今後の本研究の問題点を再検討した。研究会の成果は、立教大学アメリカ研究会のホームページおよび2000年春刊行予定の『立教アメリカン・スタディーズ』最新号で発表予定である。 また、映画理論、文化研究、ネイティブ・アメリカン関係を中心に資料を収集し、来年度の以降の研究活動に備えるとともに、収集した資料を有効に活用するために複合的に整理し、データベース化に向けた作業を行った。
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[Publications] 鵜月 裕典: "「アメリカ・インディアンの自意識の多様性」"五十嵐武士編『アメリカの多民族体制-民族の創出』(東京大学出版会). 241-265 (2000)
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[Publications] 阿部 珠理: "「作られるインディアン-高貴なる野蛮人の系譜」"『聖徳大学総合研究所論叢』. 323-339 (2000)
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[Publications] 阿部 珠理: "分担執筆"世界民族事典(弘文堂). (2000)