1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10430011
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
五十嵐 仁 法政大学, 大原社会問題研究所, 教授 (20193170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峰 登記夫 法政大学, 人間環境学部, 教授 (70287829)
田中 勉 法政大学, 人間環境学部, 教授 (50171773)
嶺 学 法政大学, 名誉教授 (60061040)
遠藤 公嗣 明治大学, 経営学部, 教授 (20143521)
伊達木 せい 日本労働研究機構, 統括研究員
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Keywords | 労働組合の団結 / 人事評価 / 人事考課 / 能力主義 / 成果主義 |
Research Abstract |
このプロジェクトでは、平成10年度には、主として、労働組合に対する通信調査とこれを補足する、訪問調査を行った。通信調査では、連合を中心とする労働組合では、労使協力で、人事考課制度を作り、また、運営しており、テクニカルな点で、労使間の意見調整が行われる場合が多かった。訪問調査でも、同様であった。しかし、通信調査では、事例が少なかったが、全労連系組合は、人事考課に否定的で、我々のテーマである、団結にもこれらがマイナスであるとの意見で、対照的であった。そのため、平成11年度は、主として、全労連系の組合を調査することとした。通信調査には、各種の困難があり、事例調査で情報を補うこととなり、全日本金属情報機器労働組合(JMIU)の支部組合10を訪問調査し、それぞれにつき報告記録を作成した。そのほか、研究会で、関連調査の結果について聞いたり、通信調査の自由回答の整理、クロス集計などの結果について討議した後、関係者が連絡をとりつつ、分担して最終報告書の作成をおこなった。 JMIU系組合は、そのイデオロギー的な指向から、人事考課を中心とする人事評価に反対であり、労使の勢力関係からやむなく、受け入れる場合も、その影響を最小限度にとどめようとしている。2、3の組合は、典型的な年功型賃金体系をなお維持していたが、職能視覚制度が新たに導入されているところ、組合が少数派のところで、高度の成果主義賃金と、それに伴う人事考課が導入されている例もみられた。全労連が、従業員全体に影響力をもつ場合、能力主義的な人事賃金制度やそれのツールである人事考課の格差拡大効果を防ぐことに、多かれ少なかれ成功しているようである。人事考課と団結との関係は概して間接的と判断された。
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