1998 Fiscal Year Annual Research Report
知識経済指標の開発と知識ストックの決定要因に関する研究
Project/Area Number |
10430024
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三品 和広 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (40283155)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 勝博 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (40114938)
野中 郁次郎 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30065437)
後藤 晃 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20054380)
永田 晃也 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (50303342)
|
Keywords | 知識経済 / 技術進歩 / 政府研究開発 / 知識ストック / 研究開発投資 |
Research Abstract |
近年、マクロ経済の成長ないし企業レベルでの成長のメカニズムを対象とする研究領域においては、資源としての知識の重要性が注目されている。しかし、知識は無体財としての性格を有することから計測が困難であり、これまでの研究の多くは概念的なアイデアの展開に止まってきた。成長要因としての内生的技術進歩の寄与度を分析しようとするマクロ経済研究の領域では、フローとしての研究開発投資から技術知識のストックを推計しようとする試みが例外的に行われてきたが、このアプローチには、知識ストックに影響を及ぼす諸要因のデータが存在しないことに起因する問題点が残されている。 本研究はこのような研究課題に応えるため、知識ストックの決定要因(研究開発の成功確率、タイムラグ、知識陳腐化率、知識稼動率など)に関する指標を知識経済指標として開発し、それらの指標に基づいて技術知識ストックを推計するとともに、知識経済指標と他の経済・経営指標との関係を明らかにすることを目的とする。 平成10年度は、技術知識に関する国内外における最新の研究動向を、マクロおよびミクロの両方のレベルに亘って広範にサーベイした。また、公共財的な知識と私財としての知識ではその決定要因が異なることに鑑み、公的研究開発が生み出す技術知識と民間部門の研究開発が生み出す技術知識を区別して推計することにより、政府研究開発の経済効果をめぐる評価にとって有用な指標が得られることを示した。さらには、未利用特許に関するデータや、ISIの提供するデータベース(National Science Indicators)から利用できる学術文献の被引用件数などにより、技術知識の稼働率などに関する適切な代理指標が得られることを検証した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 後藤 晃: "技術の経済分析:展望" 研究・技術・計画. Vol.13,No.3/4. 5-10 (1998)
-
[Publications] 永田 晃也: "政府研究開発投資の経済効果:マクロ経済モデルによる計測" 研究・技術・計画. Vol.13,No.3/4. 11-19 (1998)