2000 Fiscal Year Annual Research Report
高速スイッチング法による原始惑星系円盤の高分解能観測
Project/Area Number |
10440066
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Research Institution | NATIONAL ASTRONOMICAL OBSERVATORY OF JAPAN |
Principal Investigator |
川辺 幸子 (奥村 幸子) 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 成一 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (60300711)
石黒 真木夫 統計数理研究所, 予備制御研究系, 教授 (10000217)
石黒 正人 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (40023684)
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Keywords | 電波干渉計 / 位相補正 / 高速スイッチング法 / 伝幡路揺らぎ / ミリ波 / 星形成 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度として、これまで試験を行ってきた高速スイッチング法の性能についての詳細な解析を行った。試験測定では、スイッチング時間や、目的天体と基準天体との間の距離を変化させ、高速スイッチング法による補正精度が変化するかを調べた。10分以上のスイッチングサイクルとそれ以下とで、補正後の位相誤差に大きな差があることが明確になった。しかし、数分以下のスイッチングサイクルに対しては、補正後の位相誤差が明確な依存性を示さないという結果となった。 このような傾向は、これまでの単純な薄い位相スクリーンモデルとは矛盾する。おそらくこの事実は、野辺山のサイト上空の大気構造が厚くて、より複雑なものであることを示しているのであろう。この結果により、野辺山ミリ波干渉計では、スイッチング間隔1分程度の高速スイッチング法を応用するのはあまり効率的ではないことを結論づけることが出来た。 一方、230GHz受信機システムは非常に安定したので、感度のよい観測が可能となった。原始星天体であるL1551IRS5の230GHzと13CO(2-1)の観測を行い、2秒角以下の高精度の天体像を描くことに成功した。これを100GHz帯および150GHz帯の観測と比較することによって、原始惑星系円盤の物理進化を議論することが可能となることが期待される。 以上
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiharu Asaki, et al.: "A novel method to compare tropospheric path delay fluctuations with 22-GHz water vapor line emissions"Proceedings of spie, Radio telescopes. 4015. 589-596 (2000)
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[Publications] K-I,morita, et al.: "Fast switching Experiments with the Nobeyama Millimeter array "Imaging at radio through submillimeter wavelengths. 217. 340-343 (2000)