1998 Fiscal Year Annual Research Report
大強度陽子加速器に於けるセラミックダクトの低インピーダンスRFシールディング開発
Project/Area Number |
10440082
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
陣 栄浩 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (60270394)
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Keywords | 大強度陽子加速器 / インピーダンス / セラミックダクト / RFシールディング / JHF |
Research Abstract |
本研究は高エネルギー加速器研究機構が推進している大型ハドロン計画(JHF)で使用されるセラミックダクトのためのRFシールディングを設計開発することを目的としている。平成10年度ではビームの誘起する高周波の漏洩,および,磁場による渦電流を,銅,チタン,ステンレス鋼などについて計算し,RFシールディングの幾何学的形状を設計した。その結果、横方向インピーダンスは目安となる0.3MV/m以下に押さえることができた。また,それぞれの材料をダクト外壁に装着する方法を,セラミック試料を用いてメタライズ,ロウづけ,溶着,印刷等を試み,材料の適合性を検討する作業を始めた。現在、RFシールディングを施した直径200mm,長さ400mmのダクトを試作し、真空特性やインピーダンスの測定を行い、計算値との比較等を行う準備を行っている。この実験の成果を踏まえて、今後焼結工程での変形が及ぼす寸法精度への影響を調べ,機械強度の観点からダクトの肉厚の最適化行う。 セラミックダクトの研究と合わせて、大電力用RF窓の開発も行った。ロシアBINP研究所のKazakov氏を招聘し、共同で新型のRF窓を設計した。その後コールドモデルを試作し測定した結果、セラミックと空洞とが溶接されている面での電界強度がセラミック中心での約5分の1と設計に近い値が得られた。今後、大電力モデルを試作し、大電力試験を高エネルギー加速器研究機関とアメリカSLACと共同で行う予定である。 粉体材料や焼結助材の異なる数種のセラミック試料を準備し,ガラス接合の適合性について濡れ角,剥離強度等を測定し評価した。数keVの電子の入射に対しての帯電の様子を接合部分について測定する実験を現在準備中である。
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Research Products
(1 results)